第331話 【BLACK EDGE 其の331 紅瞳】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第331話
【BLACK EDGE 其の331 紅瞳】
フレッタの放ったビームは、右半身が龍の姿となったブラッドによって受け止められた。
まだ完全にというわけではなく、半分はブラッドのままだし、後ろに生えた羽も殆どがオーラのような霧状である。
攻撃を弾かれたフレッタは、弾かれたこととブラッドの変化に驚く。だが、ここで動揺していては今の状態のブラッドにやられてしまう。
フレッタは身体を数センチ浮かせた状態で、高速で移動する。
左右に大きく揺れながらブラッドに軌道を読まれないように、S字を描きながらブラッドに近づく。
そんな中、ブラッドは大きく口を開けると、猛獣のような雄叫びを上がる。
そんな雄叫びを聞きながらも近づいたフレッタは、ブラッドに手を伸ばした。
遠くから電撃を放とうが、接近格闘で戦おうが、今のブラッドには効果が薄いと考えた。だからこそ、最終手段を取ることにした。
それは接近での電撃攻撃。だが、これはフレッタにもダメージがある自爆技に近いのだ。
だが、避けられずに確実に電撃を浴びせるには、これしかなかった。
叫び終えたブラッドは近づいてくるフレッタにラリアットをする。
意識が飛びそうになるフレッタ。だが、それを堪えて、ラリアットしたブラッドの腕を左手でがっちり掴んだ。
「食いやがれ」
電撃がブラッドを襲う。
「グァァァァァ!!」
電撃でダメージを受けるブラッドは、電撃を流すフレッタの腕をもう片方の腕で掴んだ。
すると電撃はフレッタにも降りかかる。それでもこの手を離すことはしない。
この手を離してしまえば、もうブラッドに近づくことはできないだろう。例え近づいたところで攻撃をする前にやられてしまう。
だからこそ、ここで退くわけにはいかない。
だが、電撃を流しているのにまだブラッドは倒れない。
「……まだ倒れないか。なら、最大出力だ!!」
二人を電気が囲む。そしてその電気は大きくなり、光になって舞台を包み込み、そして大爆発を起こした。
爆発が収まり、舞台の様子が見えるようになる。そしてブラッドが倒れており、フレッタは右腕を押さえながら息を荒くして立っていた。
「…………まだ立つか」
そんな中、ブラッドがゆっくりと立ち上がる。あれだけの電撃を浴びたのにまるでそんなことはなかったかのように立ち上がったブラッドは、拳を握って戦闘を続ける構えを取る。
それを見たフレッタも残った左手を握りしめると、戦闘の構えを取った。




