第321話 【BLACK EDGE 其の321 ニキータ】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第321話
【BLACK EDGE 其の321 ニキータ】
「お前は……ニキータか」
フードの男の声を聞いてそれが誰か分かった。
「ポイズンを殺したお前は私の手で殺したかった。だが、それはスパーク様に任せるとしよう……」
ポイズンを殺した? 何の話だろうか。
ポイズンといえば、マルグリットに着く前の森で奇襲を仕掛けてきたグリモワールだ。
だが、ポイズンはスカイが戦う意思を示したら、逃げて行ったはずだ。
「一つだけ、ヒントをくれてやる。私達はフェザントを追ってこの大会に参加した。私達の目的はブルーバードの目的を探ること……」
「ブルーバードの目的……」
ニキータは壁から離れると、ブラッドの進む方向とは別の方へと歩いていく。
そして去り際に
「そうだ。ブルーバード……特にフェザントには気をつけろ」
ブラッドが廊下を抜けて会場へとたどり着くと、すでに舞台の上には黄色いフードに仮面をつけた男フレッタがいた。
「来たな。黒龍の適応者ブラッド……」
フレッタは仁王立ちで堂々とブラッドの登場を待っていた。
ブラッドはジャンプして舞台の上に登る。
グリモワールでは術師の中でも下っ端は黒いフード。そして色のついたフードを着ているものは色付きと言われる幹部である。
ブラッドが少年時代、そして赤崎を追っている時にはアルムという紫色のフードを着た幹部と出会った。
アルムと戦闘した時には全く歯が立たなかった。それと同じ実力を持っているであろう黄色いフードの幹部。
「何年もグリモワールの施設を襲撃してきたが、色付きと戦うのは初めてだな」
「そうか、それはガッカリさせないように。実力の差という者を教え込ませないとな……」
フレッタはリンゴを取り出す。そしてそれを空中に投げた。
そのリンゴに向かってフレッタは手のひらを伸ばすと、そこから電撃が飛び、リンゴを粉々に破壊した。
「俺のグリモワールでのコードネームはスパーク。術師は術を隠すのが基本だが、俺はあえて教える。俺の能力は電撃だ。…………こうやって教えてやらないと、何も分からないうちに俺が勝ってしまうからな」
「それはありがてーな。だが、とっくに検討はついてたよ」
そしてついに第二回戦。スパーク(フレッタ)とブラッドの大戦のゴングが鳴らされる。
黒龍の力を持ってブラッドと電撃の術を持つスパーク。この二回戦はどちらが勝利することになるのだろうか。




