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BLACK EDGE  作者: ピラフドリア
321/354

 第319話  【BLACK EDGE 其の319 立ち上がれ】

 BLACK EDGE



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第319話

 【BLACK EDGE 其の319 立ち上がれ】





「…………ま、まだだ……」




 ギアムはそれでも立ち上がろうとする。




 そんなギアムに槍を向けたレトバは




「もうやめとけ。今のお主にはこれが限界じゃ」




 と言うが、ギアムはそんなレトバの言葉なんて聞こうとしない。




 ギアムはふらふらになりながらもゆっくりと立ち上がる。そんなギアムを見たレトバはため息を吐くと、槍を引っ込めた。




「分かった。お主がやるというのなら、わしも全力を出そう」




 そう言うとレトバはギアムから距離を取るために、後ろにジャンプする。




 ギアムは落とした短剣を拾い、レトバに攻撃するために近づく。




 レトバは槍を上に掲げると、その槍を回転させ始めた。




 そしてレトバが槍を回転させると、闘技会場の外から水が集まってくる。それは水が柱のようになり渦を巻きながら、空を蛇のようにウネウネと飛んできている。




 それが五つ舞台にいるレトバの頭上に集まる。そしてその水の体積はレトバの十倍もの大きさになっていた。




 ギアムはレトバに向かって腕を後ろに伸ばしながら走る。そしてそんな走っている最中にギアムの両手の剣が炎を纏った。




 炎を纏った剣はギアムが走っていることによって、ギアムが通った後に赤い線を二本の描くようになっていく。




 レトバが集めた水は一つに集まり、一本の巨大な水の柱となった。

 そしてレトバの槍と連携して動き、それは走ってくるギアムを狙う。




 ギアムは高くジャンプすると、レトバに向かって斬りかかろうとする。




 ジャンプしたギアムに向かって、レトバの集めた水が発射される。ギアムは炎の剣を振って、それに正面から対峙した。




 水の柱と炎の剣がぶつかる。




 炎の剣は水を蒸発させて、水の柱を突っ切ろうとする。だが、水の量は多く、半分まで進んだところで、ギアムを包むようと水が変形する。




「なっ!?」




 そして全ての方向から水に押しつぶされた。




 水と水がぶつかり合い、激しい音と共に水の柱が破裂する。




 会場全体に水が飛び散る中、意識を失ったギアムが舞台の中央に落ちた。






 そして試合終了のゴングが鳴らされる。この試合の勝者はレトバ。




 槍使いの老人レトバが勝利したのであった。




 倒れたギアムの元に控え室からメリッサが駆け寄ってくる。

 メリッサがギアムを抱き抱えると、ギアムは意識を取り戻した。




「メリッサ……俺は…………そうか、すまないな…………負けちまった」





「良いよ。団長が無事なら……」









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