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BLACK EDGE  作者: ピラフドリア
315/354

 第313話  【BLACK EDGE 其の313 水槍】

 BLACK EDGE



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第313話

 【BLACK EDGE 其の313 水槍】




 ついに闘技大会の本戦が始まる。第一試合はレトバvsギアム。




 ブラッドは第一試合をスカイと共に控え室から観戦していた。




 そんなブラッド達の元に一人の男がやってきた。




「やぁ、君達。予選突破おめでとう〜」




 白い服に長髪の男。




「お前は水測り工場長リットル!!」




「誰だよそれは!? リトゥーンだ!!」




 それはDブロックでブラッドと戦ったリトゥーン。

 ブラッドに剣を折られて脱落した騎士だ。




「それでなんのようだ?」




「君達は勝ち残ったから良いが敗者は暇なんだよね。どうせなら君たちと一緒に観戦しようと思ってね」




 それを聞いたスカイは質問する。




「暇? 外には出れないんですか?」




 それに対してリトゥーンが答えた。




「ああ、セキュリティの問題だとかで外に出してもらえないんだ。運営は何をやりたいんだか……。騎士である僕は暇じゃないのに……」




 暇じゃない騎士がなんでこんな大会に参加してるんだよ。




 だが、リトゥーンの言っている通り、この大会では全試合が終わるまで参加者を外に出さない。

 どんな理由があるかは分からないが、予選で負けたとしても会場からは出られないのだ。




「だから僕も一緒に見させてもらうよ!」




 リトゥーンはそう言って二人の間に割り込んでくる。




「おい、無理して入るなよ……」




 ブラッドがリトゥーンに文句を言っている中、リトゥーンは会場を見ていた。






 舞台にはすでにギアムが待っている。後はレトバの登場を待つだけだ。




「待たせたの」




 レトバは控え室から歩いてくる。そんなレトバを見てギアムは




「ああ、待ったぜ、爺さん……」




 舞台の高さは1メートルほど。レトバは舞台の上に手を置くと、




「よっこらしょ」




 ゆっくりと舞台の上に登った。




 そして登り終えたレトバにギアムに




「わしは年寄りだからな。お手柔らかに頼むぞ」




 と微笑んだ。

 そんなレトバをギアムは睨む。




「普通の年寄りが予選突破できるかよ」




 そして二人が舞台に現れると、試合が始まる。

 司会が二人の選手を軽く紹介した後、




 ゴングが鳴らされた。




 ギアムは両腰につけた短剣に手をかけて、いつでも抜ける状態になる。

 しかし、レトバはと言うと……。




「おい、爺さん、武器はどうしたんだ?」




 ギアムがレトバに聞く。レトバの手には武器がない。




「忘れたとは言わないよな?」




「ああ、忘れとらんよ。今から作るんじゃ」




 レトバはそう言うと右手を天に突き出す。すると、レトバの腕の周りに水分が集まり、それが形を成していく。




「……どうなってんだ」




 そしてレトバの腕に槍が作られて、それを握りしめた。




「さぁ、準備完了」








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