第307話 【BLACK EDGE 其の307 格闘家】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第307話
【BLACK EDGE 其の307 格闘家】
Eブロック予選はスカイが勝利した。
控え室に戻ったスカイはブラッドと共に窓から会場を見る。
すでに舞台にはFブロックの参加者が集まりつつあった。
「ブラッドさん、見てください!! あの選手強そうですよ!!」
それぞれの予選を勝ち上がったブラッドとスカイは勝ち上がってくる選手を研究するために、窓の外から参加者を見ていた。
そんな中、スカイが注目したのは、眼帯をつけた選手だ。大剣を背中に背負っており、体格はヒューグと同じようにデカい。
「ああ、確かに強そうだな」
ブラッドもその男を見て、実力者であると判断した。しかし、
「…………ん」
「どうしました?」
ブラッドが選手達を見ていると、さっきの大剣を持った男の隣を通って行った白い道着を着た男。その男に惹かれた。
「あいつ、強いな」
ブラッドは見ただけでわかった。その道着の男は強い。
「誰ですか?」
「あいつだ……」
黒い髪に道着を着た男をブラッドはスカイに教える。しかし、スカイにはその男が強いようには見えないようで首を傾げた。
「そうですか? 私としては眼帯の剣士の方が強そうですけど」
「まぁ、俺も感だからな。確実ではない。……どっちにしろ、試合を見れば分かることだしな」
そう、どの選手が強いのか。それはこのFブロックの試合が始まれば分かることだ。
そして選手達が揃い出した頃、司会が選手達の解説を始めた。
「さぁ、Fブロック予選の実力者はこいつらだ!! 流離の剣士のオーバー・グイーズ!! 硬さなら誰にも負けない鉄壁の男マキシム・ヨルダン!! そしてリズムで戦う音楽戦士ラッセル!!」
実力者達の紹介が終わる。しかし、ブラッドとスカイの注目している選手は呼ばれていないようだった。
そしてFブロック予選の開始のゴングが鳴らされた。
選手達はそれぞれ武器を持ち、戦いを始める。そんな中、眼帯の剣士は大剣を振って、五人の選手を選手を一度で落としていた。
「見ましたか!? 今の一撃!! 強かったですね!!」
スカイは本戦になると戦うことになるのかもしれないのに、その選手の活躍を見て興奮する。
そんな中、ブラッドはずっと道着を着た選手を注目していた。
「まだその人を見てるんですか? 見た感じ変わった様子はないですが……」
スカイは派手な戦いをしないその男を見ながらそう言う。だが、
「いや、勝ち上がるのはあいつだ」
ブラッドはその男の戦いを見てわかった。
「あいつ、他の選手と違って頭一つ抜けてやがる」




