第304話 【BLACK EDGE 其の304 共闘】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第304話
【BLACK EDGE 其の304 共闘】
ブライスに手を払われたオズボルドは驚く。
オズボルドの後ろにいるアビアルとクリィアも同じだ。
「な、なんで嫌がるんだ?」
「俺はそういう勝ち方には興味はないんだ」
「だが、君は他の選手に追われていただろう。このままだと、いつかは誰かにやられてしまう」
「だからと言って共闘するのは俺の心が許さない。だったら俺は負けた方がマシだ」
ブライスはそう言ってオズボルド達に背を向ける。
ブライスが仲間になる気はないと分かったオズボルド達は、
「そうか……」
と残念そうに言うと、
「なら、ここで敗退だ!!」
オズボルド達は三人同時に襲いかかってきた。だが、ブライスは冷静に、
「さよーならァァァァァ!!」
全力ダッシュで逃げ出した。
逃げたブライスをオズボルドは
「追え!! 今すぐあいつを倒すぞ!!」
三人で一斉にブライスを追いかけ始めた。
そんな追ってくるオズボルドにブライスは逃げながら、
「おい、弱い者同士で結託するんじゃなかったのか!? なんで俺を追いかけるんだよ!!」
「弱い者同士は手を取り合うべきだ。だが、協力を拒む者は排除しなければ今後に支障が出る!!」
「チクショー!! なんでまた追われることになるんだよ!!」
ブライスが逃げ回っていると、
「そのまま走ってください」
剣を持った少女とすれ違った。その少女は一振りでオズボルド達を切り付けると、気絶させて倒した。
「な!? ま、またこの展開か!? お前もあれか!? 共闘だなんだとか言いながら襲ってくんのか!?」
ブライスは助けてくれた少女に向かってそう言う。すると、その少女は剣を鞘にしまいながら、
「そんなことしませんよ。さっきのやりとりを見て卑怯だと思ったから手を貸しただけです」
「ん、そうか。そうなのか……すまん。……俺はブライスってんだ。君名前は?」
「スカイです」
名前を聞いたブライスは満足そうにスカイの方に向き直す。
「俺は一対一専門でな。多数で戦う者、襲われるのも得意じゃないんだ。お前なら俺と真面目に戦ってくれそうだ」
ブライスは腰につけた短剣に手をかける。
その様子を見てスカイも剣をいつでも抜ける体制になる。
「確かに。私も卑怯な戦いは嫌いです。一対一ですね。良いですよ、その戦い引き受けましょう!!」
ブライスとスカイは向き合う。
Eブロック予選。残る選手は六人。Eブロック予選も終盤に差し掛かっていた。




