第303話 【BLACK EDGE 其の303 鳥籠】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第303話
【BLACK EDGE 其の303 鳥籠】
鳥を肩に乗せた男ブライスは舞台の上で逃げ回っていた。
「待てやオラー!」
「今なんて言いやがった!!」
ブライスは三人の選手に追われていた。
「いや、ちょ、待って!? なんでこうなるの!?」
またしても肩に乗せている鳥が他の選手を挑発したことで、こうやって追われている。
ブライスが必死に逃げ回っていると、
「そこ退きな。にいちゃん」
そう言ってブライスの横から筒状の何かを背負った男が現れた。
男はブライスとすれ違うと、ブライスを追っていた三人の選手に背負っていた筒を向けた。
「くらえヤァ! 俺の新作兵器を!!」
男はそう言うと引き金を引く。すると、筒から大砲が飛び出して、三人の選手を吹き飛ばした。
「な、なんだ!?」
その様子を後ろから見ていたブライスは驚く。そんなブライスの方を男は向くと、
「いや〜、言い逃げっぷりだっから、手を貸してしまった!」
と言いながらハンカチを取り出すとそれで額の汗を拭く。
「アンタは何者だ?」
「俺か? 俺はオズボルド・ハンバーガーってんだ。まぁ、オズとでも呼んでくれ。それで君は?」
自己紹介をしたオズボルドにブライスは警戒しながらも
「俺はブライス・クーパーだ。それで、なぜ俺を助けたんだ?」
自己紹介を返したブライスは、自分を助けたことを聞く。
ここは闘技会場だ。ここでは助け合いではなく、蹴落とし合い。誰が強いかを競う大会だ。
弱い者は踏み潰されて、強い者だけが残る。そんな大会で、追われていたブライスをなぜ助けたのか。それが疑問だった。
すると、オズボルドは答える。
「理由は簡単!! 俺達はこの大会では最弱の選手だ。一人の力だけでは勝ち残ることはできない。だから、同じような仲間を探していた!!」
オズボルドがそう言い始めると、二人の選手が近づいてくる。
ブライスはその二人を警戒するが、オズボルドが大丈夫だと言い、紹介を始めた。
「こちらはアビアルさん、そしてこっちはクリィアさん、二人はこの予選で見つけた、俺達と同じ弱者であり、協力者だ」
どうやらオズボルドはアビアルとクリィアの二人と共闘しており、それで予選の突破をしようとしているようだ。
「そんなことを説明して、俺にどうしろってんだ」
「君も俺たちと共闘しないか。そうすれば、この予選の最後まで生き残れることを約束しよう」
オズボルドはそう言うとブライスに手を差し伸ばしてきた。
しかし、ブライスはその手を払い除けた。




