第300話 【BLACK EDGE 其の300 Eブロックの猛者】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第300話
【BLACK EDGE 其の300 Eブロックの猛者】
スカイがアフロと戦闘している中。そこから少し離れた場所では他の選手たちが戦っていた。
「アホーアホー」
「おい、バカやめろ!!」
鳥を肩に乗せた男が騒ぐ。どうやら人の言葉を真似する鳥のようだが、このタイミングで喋ってほしいことじゃないことを喋り出したため焦っているようだ。
そして男の心配通り、
「なんだとぉ」
「あぁ? いまなんつった?」
男は他の選手に目をつけられる。
「い、いや、今のは俺じゃなくて……」
「お前以外に誰がいるんだよ」
鳥を乗せた男は五人の選手に囲まれる。
完全に標的にされてしまった。このままではまずいと考えた鳥を乗せた男は向かってくる選手を無視して逃げ出した。
「お、おい!! どこ行きやがる!!」
「五人相手なんて、できるかよ!!」
逃げた男をを五人の選手が追う。だが、鳥を連れた男の逃げ足は早く、ドンドン距離が伸びていく。
「俺の逃げ足を舐めるなよ〜!! この俺の逃げ足はチーターからも逃げられるって言われたんだ!! そう簡単には追いつけるかよ!」
しかし、
「痛っ!?」
鳥を連れた男は何かにぶつかった。ぶつかった衝撃で肩に乗っていた鳥は驚いたのが羽ばたいて、男の頭上をくるくると舞う。
「…………なんだ、テメ〜」
そして男がぶつかったのは……。
「あ、いや、その〜…………」
ゆっくりと下がってぶつかった相手を見る。その相手は岩のような身体を持った巨漢。そしてめっちゃ怖い顔をしていた。
「なんだ、ぶつかっといて謝る気もないのか……」
汗が滲み出る。
巨漢の男は拳を握りしめると殴りかかってくる。鳥は慌てて飛び回る。
後ろを見るとまだ追ってきている連中は追いついてきていない。男は腰につけた短剣を抜くと、
「…………あれ、どこに行ったんだ?」
巨漢の男はぶつかってきた男を見失い。周りを見渡すと後ろにその男がいた。
「いつも間に……っ!?」
巨漢の男の意識が遠のく。何もわからない間に、巨漢の男は倒れた。
追いついた五人の選手はその様子を見て驚く。
「な、何が起きたんだ?」
「あいつがやったのか?」
「てめー、何者なんだ!!」
男の肩に鳥が戻ってくる。男は剣を手元で回転させたあと、鞘に剣を戻した。
「俺は冒険家、ブライス・クーパーだ」
ブライスと名乗った男は選手達を脅すように睨む。さっきまで追っかけてきていた選手達はびびって近づけずにいる。
そんな中、ブライスは、
良かったァァァァァ、どうにかなりそォォォォう!! と心の中で安堵していた。




