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BLACK EDGE  作者: ピラフドリア
293/354

 第291話  【BLACK EDGE 其の291 重力】

 BLACK EDGE



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第291話

 【BLACK EDGE 其の291 重力】




 ニキータはブラッドを囲む選手を倒した後、ブラッドと向かい合った。




「黒龍の適応者。君の強さは聞いている。ガルデニアの件も報告を受けた。ポイズンの件もあるしな。ここで負けてもらうぞ」




 ニキータは武器を持っておらず素手だ。そんな状態で姿勢を低くして構えた。




 すると、突然ブラッドは何かに押しつぶされている感覚に陥る。




「な、なんだ……これ…………」




 ブラッドはその重さに負けて身体が沈む。そんなブラッドを見て、




「それが私の術だ」




 とニキータが自慢げに言った。




 ニキータは割れた舞台から石ころを拾うと、




「私の力は触れたものの重力を倍にする」




 ニキータは軽く石ころを投げる。最初はゆっくりと飛んでいた石だったが、ニキータが指を鳴らすと動きがおかしくなり、通常よりも落下が速くなる。

 小石程度じゃ変化は激しいものではないようだが、それでも投げた時の軌道が変わっていた。




 だが、ブラッドはその説明を聞いて、




「触れられた記憶はないけどな……」




 とニキータの説明を疑う。




 大会が始まってからブラッドはニキータに一度も触れられた記憶はない。

 まずニキータに近づきすぎないようにしていた。




「さっき君を囲んでいた選手は試合中に触れた。でも、君に触れるチャンスはいくらでもあった……」




「どういうことだ……」




「さぁ? 私の能力は触れたものに対して三日間有効とだけ伝えておこう。君はこの国での三日間の生活で、本当に誰にも触れられていないと言えるか?」




 つまりは大会が始まる前から目をつけていたということか。




「いつだ?」




「いつだろうな? 散歩中か、それとも屋敷で生活している時か?」




 この国に来てからキースの屋敷で暮らしていることがバレている。そこまで知られているとは……。




 大会のエントリーの時にグリモワールがいた。フェアとはなるべく一緒に行動するようにしていたから、大丈夫だと思っていたが、もっと警戒すべきだったか。




「さてと、そろそろ場外に落とすか……」




 ニキータはそう言いながらゆっくりとブラッドに近づいてくる。その時、ニキータを横から奇襲する人物が現れる。




 剣を持ちその剣をニキータに向かって振る。




 それに気づいたニキータはどうにか躱すが、剣が掠ったのか片手を抑える。そしてその腕から血が流れてきていた。




「勝利を確信した時、隙が生まれる。そこをついたつもりだったんだけどな……」




「このタイミングで邪魔をするか。アイデン」










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