第288話 【BLACK EDGE 其の288 修羅場】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第288話
【BLACK EDGE 其の288 修羅場】
ブラッドはアイヤナの斧を片手で受け止める。
「……まぁ、そんな話があったかどうかなんてどうでも良い。今回は勝たせてもらうぞ。アイヤナ」
ブラッドが指に力を入れると斧にヒビが入る。
「相変わらずの馬鹿力ね。でも、私に振られてから力をつけたのよ!!」
すると、アイヤナは斧から手を離す。そして今度は腰から二本の短剣を取り出した。
その構えには見覚えがある。
「そうか、確かに実力を上げたようだな……」
その構えを見ただけでブラッドはアイヤナが努力してきたことが分かった。
ブラッドは斧から手を離す。斧は地面に落ちると大きな音を鳴らした。その音を合図にアイヤナはブラッドに攻撃を仕掛けてくる。
アイヤナは交互にブラッドに短剣で攻撃する。ブラッドは攻撃を最小限の動きで避ける。
「な、これでも当たらないの!?」
攻撃の当たらないアイヤナは徐々に疲れて、攻撃速度が落ちていく。そして勢いが落ちたところをブラッドはアイヤナの腕を掴み攻撃を止めた。
そして腕を掴んだままアイヤナの背後に回り込み動きを封じる。アイヤナは痛くて短剣を落としてしまう。
「確かに努力したことは認めるよ……。だが、まだまだだ」
「くっ! この程度で…………」
ブラッドはアイヤナを場外に連れて行こうとする。
アイヤナは抵抗するが、ブラッドの拘束から抜け出すことができない。
そしてアイヤナはブラッドにより場外に出された。
「そ、そんな……私が……………」
「気の強いお前が、ヒューグに教えを乞うなんて意外だったよ。まだ強くなる見込みはある」
ブラッドはそう言うと戦場に戻っていった。
アイヤナが現れたことでニキータを見失ってしまった。どこに行ってしまったのか。
舞台の中央で周りを見渡していると、
「何をキョロキョロしてるのかな?」
そう言ってブラッドに剣が振り下ろされる。
「っ!」
躱したブラッドが攻撃してきた相手を見ると、そこにはリトゥーンがいた。
「またお前か…………」
「その反応はないだろ〜、僕みたいな有名人が話しかけてあげてるんだ。光栄に思いたまえ」
「お前なんて知らねーよ」
「………………」
知らないと言われたことにリトゥーンはショックを受ける。
「……………ぼ、僕を知らない……。い、いや、そんなはずはない。これは僕を動揺させようとしてるんだ!!」
そう言って首を振ったリトゥーンは腰に付けた剣を抜く。
「さてと、僕の美しい戦いを見せてあげようか」
「…………ああ、そうか。思い出した。……お前とは戦う約束をしてたな」
そう言ったブラッドも腰にある剣を抜く。
「こいつでお前を倒す。そういう宣言をしてたんだった……」




