第287話 【BLACK EDGE 其の287 アイヤナ】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第287話
【BLACK EDGE 其の287 アイヤナ】
これは何年前の話だろう。ガルデニアで賞金稼ぎをしていた私は賞金首アフルを追って、ガルデニアから少し離れた森を探していた。
「確かここに逃げ込んだはずなんだけどな」
この頃の私は強さだけじゃなく、ガルデニアの美女と言われるほど美しかった。
「ふふふ、まだ追ってきてやがったか……」
アルフを追っていた私だが、気がつけば大勢の男に囲まれていた。
「くっ、仲間を呼んでいたのか……」
そしてその中からアルフも出てくる。
「そうだよ。気づかなかったのか? 間抜けが……。ここまで追ってきたのが運の尽きだな……」
完全に包囲されている。逃げ場はない。戦うしかないようだ。
私は斧を両手で持ち構える。私を包囲している集団が一斉に襲いかかってくる。
私は斧を振って抵抗するが、数には敵わず斧を取り上げられて倒された。
私の腕をアルフは踏みつける。
「よくもまぁ追っかけ回してくれやがったな!!」
アルフは私の腕を何度も踏みつける。
「しかし、勿体無いなァ、こんな美人を殺すことになるなんてな……」
私を囲む男の一人がそう言った。
私はその男に対して、
「じゃあ、逃してくれないかしら……?」
と言ってみる。しかし、そんなことさせてもらえるはずもなく。
「逃すわけはないだろ」
アルフは両足を私の左右の腕に乗せる。アルフの体重が全て腕にかかり、私は悲鳴を上げた。
そして私の腕に乗ったアルフは私の顔を見ると、
「その顔……なんだよな。ムカつく……ムカつくんだよ!!」
そう言って左足を上げると今度は顔を踏みつけようとしてきた。しかし、
「ぐぁぁ!!」
アルフの後ろにいた男達の悲鳴が聞こえる。
「どうしたんだ。お前たち?」
アルフが振り向くとそこにはアルフの仲間が転がっていた。そして赤いコートを着た茶髪の男。
「おい、そこまでにしろよ……」
そこにいたのはブラッドだった。そこから先は一瞬の出来事だった。ブラッドに攻撃しようとしたアルフはブラッドに速攻で倒された。
「おい、立てるか?」
そしてアルフを倒したブラッドは私に手を差し伸ばした。
「あんたに手を貸される必要はないよ」
これが私と彼の出会いだった。
アイヤナはブラッドに斧を振り回しながらそんな話をした。
「おい、そんなことあったか? 俺は覚えてないぞ」
「あったのよ!! 何よ!! 私のことなんてどうでも良いってことなの!!」
アイヤナは高く斧を振り上げる。そして勢いよく振り下ろした。
だが、ブラッドはその斧を片手で受け止めた。




