第280話 【BLACK EDGE 其の280 Bブロック】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第280話
【BLACK EDGE 其の280 Bブロック】
Aブロックは槍使いの老人レトバが勝利した。予想外の選手の勝利に観客達は驚く。
そしてそれはブラッドも同じだった。
「ブラッドさん、どうしました?」
「いや、さっきの試合だが。本当にあの場面でジバを持ち上げられるのかってな……」
「龍の力で強化していたとかじゃないんですか?」
「いや、そうだとしても足場が不安定な状況であそこまで肉体の力だけで持ち上げられるとは思えない。それにあの老体だ。龍の力を使い過ぎれば、身体に負担がかかりすぎる……」
「じゃあ、どうやって…………」
「分からない。だが、俺のように肉体を強化したのとは違う。別の方法で龍の力を使ったんだ」
Aブロックの予選を終えた選手達が次々と戻ってくる。
「団長……すみません」
メリッサは赤いバンダナを巻いた茶髪の男に頭を下げる。すると男は笑顔でメリッサの背中を叩いた。
「そう落ち込むなよ。あとは俺に任せとけって!」
メリッサと茶髪の男の隣ではサバトがビクビクさながら控室へと戻っていた。
「師匠にみつからないよ〜に〜」
しかし、
「おい、サバト……」
「師匠!?」
サバトの背後には黒髪に白い道着を着た男が腕を組んで立っていた。
「なぜお前がここにいるんだ…………?」
「いや、その、あの…………」
「お前はまだ修行が足りないみたいだな。明日からは修行を倍にしてやる」
「ゆ、許してください!!」
そしてAブロックの選手と交代するようにBブロックの選手達が舞台へと向かっていく。
「では団長……」
「ああ、行ってくる」
メリッサに見送られて赤いバンダナを巻いた茶髪も舞台へと向かう。
そしてついにBブロック予選が始まろうとしていた。
司会が選手達の紹介を始める。
「さぁ、Bブロックの選手をご紹介しましょう。優勝候補はムスリカ帝国騎士団師団長ポラリス!! そして最強の蹴り技のみで前回も準々決勝まで勝ち残ったハード・ソンだ!!」
そして選手達が全員の舞台に登ると、司会開始の合図がなった。
選手達が武器を手に戦い始める。
そして優勝候補のハードは一人、また一人と次々と選手を蹴り倒し場外させていく。
だが、
「ぐっぁ!!」
赤いバンダナを巻いた茶髪の男に蹴りで攻撃しようとした瞬間、背後に回り込まれて首に剣を立てられた。
バンダナの男は二刀流で短めの剣を両手に持っていた。そして一本の剣でハードを捕まえると、
「死にたくなければ場外まで歩くんだな」
ハードを脅した。ハードは場外の側まで歩くが、
「落ちるのはお前だ!」
バンダナの不意をついて攻撃しようとする。だが、バンダナの男は攻撃を躱すとハードを突き落とした。




