第278話 【BLACK EDGE 其の278 槍使いvs槍使い】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第278話
【BLACK EDGE 其の278 槍使いvs槍使い】
Aブロック予選も残る選手が少なくなり、もう10人もいなくなった。
目立っているジバがシマールと戦闘をしている最中。槍を持った老人に一人の男が近づいて来た。
「なかなかやるな。老兵よ……」
それは褐色の肌に白髪の男、ヤンバイン。老人と同じく槍を手に手に持っている。
「褒めたって何も出んぞ」
老人はニヤニヤしながら言う。
「貴様、名はなんという?」
ヤンバインが聞くと、
「ラック・レトバ」
レトバはヤンバインに名を名乗った。それを聞いたヤンバインは満足そうに槍を構える。
「我が名はヤンバイン!! ラック・レトバ、我が槍と貴様の槍、どちらが上か、確かめさせてもらう!!」
「ああ、構わんよ……」
ヤンバインは構えたがレトバは構えることはない。ヤンバインは槍を片手で持ち回転させると、レトバに向かって走り出した。
「手加減はせんぞ! 貴様がどれほどの実力を持っているのかは、先程まで見させてもらった!! 我が槍を受け止めてみよ!!」
ヤンバインは回転させた槍を止めると、両手で槍を持ちそれでレトバに突きで攻撃する。
レトバは槍を振り回すことはなく、後ろに下がったり、横に動いたりして槍を躱す。
完全にヤンバインの動きを見抜いている。
「くっ、読まれるか……ならば!!」
ヤンバインはレトバに攻撃が避けられると、今度は直接レトバを攻撃するのではなく違う方法で攻撃を試みる。
ヤンバインは槍を回転させながら、右手から左手、左手から右手とまるで踊るように動かすと、今度は地面に向かって槍を放つ。
「…………っ」
その槍は地面にぶつかると、角度をつけて曲がる。まるで鏡に反射した光のように曲がった槍は、レトバに向かっていく。
しかし、その槍をレトバは片手で摘んで止めた。
「…………ほう、こういうこともできるのか、便利な槍じゃな」
レトバは槍を摘んだまま引っ張る。その力でヤンバインは引っ張られる。
「…………なん、だと!?」
「ほれほれ〜、どうした? もう少し頑張らんか」
レトバが挑発すると、それに怒ったヤンバインは槍を握ったまま、レトバに近づく。槍は変形し、180度の角度をつけて曲がる。
「しなる槍か……面白い武器じゃな〜」
ヤンバインは片足を上げると、レトバに連続でキックする。しかし、レトバは槍から手を離すと、姿勢を低くする。
そして片足で立っているヤンバインの下へと潜り込むと、その足に肩をぶつけて転ばせた。
「ぐっ…………」
そして倒れるヤンバインの腕を掴むと、ヤンバインを場外へと投げ飛ばした。




