表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BLACK EDGE  作者: ピラフドリア
269/354

 第267話  【BLACK EDGE 其の267 お礼をプレゼント】

 BLACK EDGE



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第267話

 【BLACK EDGE 其の267 お礼をプレゼント】





 ルルシアは机の引き出しから袋に詰められた何かを取り出す。そしてそれをフェアに渡した。

 それを見たブラッドは、




「なにこれ……」




 と声を出した。




 城に忍び込み、もしも見つかったのならどうなるか分からない状況。そんなことまでしてお礼としてもらったもの…………。それは…………。




「私の手作りクッキーです!!」




 まさかのクッキーだった。




 いや、確かにクッキーをあげたのだから、クッキーが返ってきて当然だろう。

 しかし、ここまで命懸けでやってきたのだ。それがまさかのクッキー。




 しかも王女様のお礼としてもらうものだ。




 もっと高価なものを貰えると期待していたブラッドは、軽くショックを受ける。

 だが、当然といえば、当然だ。




 クッキーのお返しなのだから…………。




 フェアは喜んでルルシアのクッキーを受け取った。




「ありがとうございます!!」




 フェアはルルシアから受け取ったクッキーをしまう。すると、




「では帰ってもらいますか」




 とジーナスが言い出した。




 確かに帰れって気持ちはわかる。だが、




「いや、どうやって帰ったら良いんですか!?」




 するとルルシアは答える。




「簡単です。正面から出れば良いんですよ」




「出れるの?」




 ブラッドが聞くとジーナスが首を振る。




「いえ、確実に捕まりますね」




「ですよねーーーーーー!!」




 ルルシアはベッドに座ると、




「まぁ、すぐに帰れっていうのは冗談です。…………実はあなた達をここに連れてきたのは理由があってですしね」




 と真剣に喋り出した。




「理由……ですか?」




 ブラッドが尋ねると、ルルシアは首を頷いた。




「はい、最近私そっくりな少女が街にいるって話を聞いて、その子に会いに行ったんです」




 そう言ってフェアをみんなは見る。




「え、私?」




 突然注目されて困惑している感じだ。




「実は私、行きたいところがあって、でも、こうやって抜け出せる時間も少なくて、それで…………」




 なんだか嫌な予感がしてきた。こうやって抜け出して遊んでいる王女様だ。

 なにを言い出してもおかしくない。




「私と一日だけ、入れ替わってください!!」




 ルルシアはフェアにそう告げた。




「わ、私と入れ替わる!?」




 フェアは自分のことを指差して驚いている。




 ブラッドは嫌な予感が的中したと思った。




「ど、どういうことですか?」




 フェアが聞くとジーナスが答えた。




「ルルシア様は毎日多くの習い事をなされております。それは王家に必要なこと、しかし、そのため時間も足りず、普段は外出も許されておりません」




 あんたは外出を許してるし、共犯だけどな。




「私と二人だけの時間なら、ああして抜け出すことができるのですが、ルルシア様の行きたい場所にはその短時間ではどうしても間に合わないのです」









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ