第262話 【BLACK EDGE 其の262 出会い】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第262話
【BLACK EDGE 其の262 出会い】
大会へのエントリーも済み、大会開始まで数日の様子があるブラッド達は、マルグリットにあるキースの屋敷でしばらく暮らすことになった。
そしてブラッドはフェアと共にマルグリットの王都を散歩していた。
「あ! ブラッド、見てみて、これ初めて見るよ!!」
フェアはそう言うと一軒の店に走っていく。そこはお菓子屋さんであり、そこにはガルデニアでは見ることができなかったお菓子が並んでいた。
お菓子を見つけたフェアはジーッと見つめる。
そんなフェアを見たブラッドは
「分かったよ。買ってやるよ」
と言うと店に入った。お店の中にはクッキーやケーキ、様々なものが並べられている。
「何が良いかな?」
フェアはそんなお菓子を見ながらブラッドに聞く。
「そうだな。これなんてどうだ?」
ブラッドが指差したのはガルデニアではあまりなかったチョコの使われたクッキーだ。
ガルデニアではチョコは輸入に頼っており、手に入る数も少ない。そのためお菓子で使われていても高かったり、ここまでガッツリ入っているものは珍しかった。
「うーん、じゃあ、これ!!」
そう言ってフェアが指差したのはいちごのクッキーだ。
「いや、それはガルデニアでも買えるじゃん!」
ブラッドが言うとフェアは頭を掻きながら、
「でも、今これが食べたい気分なんだよね〜」
結局ブラッドはいちごのクッキーとチョコのクッキーを両方買った。というか自分でも食べたかったため、チョコのクッキーは買った。
お店の近くにある公園のベンチでブラッド達は早速クッキーを食べてみた。袋に十個ほど詰められており、それを一つずつ取って食べる。
「いるか?」
ブラッドはチョコのクッキーを食べながらフェアに聞く。しかし、フェアは首を振ると、
「大丈夫」
と言って自分のいちごのクッキーを食べ進める。
チョコのクッキーをひとつ食べ終わったところで、ブラッドはフェアに、
「一つ分けてくれ」
「これはガルデニアでも食えるって言ってたじゃん」
「…………食べたくなっちゃった」
結局は慣れている味が一番なのかもしれない。
そんな感じでフェアのクッキーを貰ったブラッドだが、
「私にも一つください」
フェアのさらに隣から女の子の声がした。
「いいよ」
フェアは何も言わずにクッキーを渡す。
ブラッドはマルグリットに住んでいる子供かなと思い、その声の持ち主の方を見る。すると、
「っ!?」
そこにはフェアがもう一人いた。




