第260話 【BLACK EDGE 其の260 悔しかった】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第260話
【BLACK EDGE 其の260 悔しかった】
ブラッドの拳で顔面を殴られたジガンデルは地面に沈む。
「…………やったか?」
ジガンデルを持ち上げていたヒューグは腹を押さえて膝をついた。
ジガンデルの蹴りはキースを吹っ飛ばすほどの威力があった。それを堪えていたのだ。
ブラッドほジガンデルを倒せたかどうか確かめようと近づく。
ジガンデルは立ち上がることはなく、倒すことができた。
こうして大物賞金首ジガンデルを捕らえることができたのであった。
話を聞き終えたスカイは
「それがこの前の件の話ですか……」
と呆れるように言った。
そういえば、雪山でキースとスカイと会った時に、この話でキースから喧嘩を売られた。
「まぁ、あいつとしては戦闘が始まってすぐに気を失ったからな。悔しかったんだろうな」
木箱に激突したキースは気絶していた。そして気絶している間に、ブラッド達はジガンデルを倒したのだ。
それが悔しかったのだろう。自分がジガンデルの居場所を発見したのだが、何もできなかったのだ。
キースの実力なら気絶さえしていなければ、ブラッドの代わりに倒していたかもしれないが、あの時は当たりどころが悪かった。
そんな感じでスカイ達に他の話をして、終えたブラッドは部屋に戻って寝る準備をしていた。
ここは大きな屋敷だ。一人用の部屋であっても広い。そしてベッドもふかふかだ。
ブラッドは扉を少しだけ開けて、誰もいないのを確認すると、ゆっくりと扉を閉める。
そしてベッドにお尻を乗せて座ると、少し跳ねてみた。ベッドはブラッドの身体を反発してバウンドする。
「…………」
ブラッドは今までこんなベッドで寝たことがなかった。メテオラの元で修行している時代も固かったし、王都で賞金稼ぎをしている時も貯金のため安い宿で泊まっていた。
ブラッドは子供時代に戻るように、ベッドで跳ねて遊んでいると、
「ブラッド〜」
突然扉が開かれた。そしてそこから出てきたのはフェアだ。
ベッドで跳ねて遊んでいたブラッドはフェアと目が合う。そして動きが固まった。
めっちゃ恥ずかしい。
「な、なんだ……」
ブラッドは遊んでいたことを誤魔化すようにフェアに言う。
フェアに触れないでほしいというブラッドの気持ちが伝わったのか。フェアはブラッドは遊んでいたことには触れずに本題を始めた。
「ブラッド、なんか手紙が来てたんだけど…………」




