第250話 【BLACK EDGE 其の250 キースの屋敷】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第250話
【BLACK EDGE 其の250 キースの屋敷】
隣国の王都マルグリットに到着したブラッド達は、スカイの家に向かうことになった。そしてスカイの家にやってきたのだが、そこは大きな屋敷だった。
中から出てきた執事に案内されて、ブラッド達は客室で待っているのであった。
しばらくすると客室の扉が開き、そこからスカイが入ってきた。
スカイは今まで着ていた服とは違い、白いドレス姿でお嬢様って感じの服装だ。
そんな服装のスカイを見て、フェアは目を輝かせている。
しかし、スカイはその服装が嫌なのか、嫌々着ている感じだ。
「まさか、本当にキースが貴族だったなんてな……」
ブラッドが言うとスカイは
「まぁ、まだって感じですけどね……」
と答えた。ブラッドがそれについて聞こうとすると、扉が開き今度は青髪の太った老人が入ってきた。
「ああ、あの馬鹿はもうすぐ死亡扱いになって、この家とは無関係になるのだからな」
老人の言葉を聞いたブラッドは立ち上がる。そして怒った口調で
「どういうことだ?」
と聞く。すると、その間にスカイが入ってきてブラッドを止めた。
「これはパパが望んだことなんです」
事情を聞くと、キースが死亡するわけではなく。情報上は死亡扱いにして、この家の後継者から外すというものだった。
本来は家の継ぐべきなのはキースなのだが、キースは昔からそれを嫌がっており、色々と問題を起こしてきた。
キースの父親であるケイスはキースにどうにか家を継がせようと結婚させたり、手を尽くしたのだが、キースはどうやっても継ぐ気はないらしく、弟に継がせるためにそのような手段をとったらしい。
キースの父のケイスは泣きながら
「あの馬鹿のせいで私はどれだけ苦労したことか……」
「お爺ちゃん……」
「ああ、可愛い孫娘よ!! この私を慰めてくれるのか!?」
スカイは着ている服を持ち上げると、
「これ脱いで良い?」
「ええぇー!? せっかくスカイのために選んであげたのに!?」
「だって動きにくいよ」
「うーん、じゃ良いよ!」
なんだこの家族は…………。
スカイは服を破いて動きやすくする。それを見たケイスは唖然としていた。
まぁ、それもそのはずだ。選んであげた服が目の前で破られたのだ。ショックを受けないはずがない。
しかし、ケイスはスカイに向かって、
「少し見ないうちに立派になったなぁ。キースの奴と旅をしたのが良かったかぁ」
と言い出した。
うむ、この理解できない行動は遺伝していたのか。




