第237話 【BLACK EDGE 其の237 ジャングル】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第237話
【BLACK EDGE 其の237 ジャングル】
マルグリットへと向かう道中、ジャングルを抜けることにしたブラッド達であったが、後ろから何かが迫っていることに気づく。
最初に気づいたのはスカイだ。そしてそれに続いてブラッドも気づいた。
「敵の数は…………三十です」
スカイは馬車の中で剣を持って立ち上がるとそう言った。
「数まで分かったのか!?」
「はい。私はこういうことには長けてますから…………」
ブラッドは馬車の速度を落とす。
「このまま戦う。操縦を任せられるか?」
「いえ、ここは私に任せてください」
スカイはそう言うと馬車の屋根の上に登る。そして後ろを向いて剣を抜いた。
「大丈夫です。それに故郷まで送ってもらってるんです。これくらい働きます!」
そして後ろで追ってきているものの正体が分かる。
ジャングルの木を長い腕を利用して飛び移り、馬車を追ってきている。高い叫び声を上げて、現れたのは猿だ。
それを見たフェアは驚く。
「あれは!?」
「あれはこのジャングルに住む獰猛な猿だ。人を襲い食料や武器を盗み、人も攫うことがある」
ブラッドが馬車を操作しながら説明した。
猿達の手には武器があり、各々が違う武器を持っている。剣を持っているものや斧を持っているもの、弓矢を持っている猿までいる。
馬車はフルスピードであるというのに、それに余裕で追いついてくる猿。
追いついた二匹の猿は馬車へと飛び移ろうとする。だが、そんな猿をスカイは切り落とした。
スカイに切られた猿は地面を転がって、すぐに遠ざかり見えなくなった。
仲間がやられたことに猿達は声を荒げて怒る。
弓矢を持っていた猿はスカイに向けて矢を放つ。
「スカイ!」
だが、そんな矢すらスカイは弾き飛ばした。
「問題ありません。この程度、パパに比べればまだまだです」
「…………お、おう」
確かにスカイの実力はキース以上かもしれない。
これだけの敵に囲まれているというのに冷静に剣を振るっている。
スカイは次々と来る猿の群れを倒していく。スカイの剣は猿の血に染まる。
猿達は仲間を切り殺していくスカイに怒りを表す。
しかし、猿達もこのまま終わるはずがない。
馬車が行く道をブラッドに気づかれない程度に誘導していた。
そしてそれに気づいたのは目の前に食べが現れた時だった。
ジャングルの先に崖の壁が現れて、道が急カーブになっていたのだ。
「なにぃぃぃ」
このままの速度では曲がりきれない。




