第236話 【BLACK EDGE 其の236 キースの娘】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第236話
【BLACK EDGE 其の236 キースの娘】
キースの娘であるスカイ。彼女と最初に出会った時はキースとは違いかなりしっかりしている子だと思っていた。
雪山で出会った時はキースを止めていたし、挨拶もできていた。
だが、親子だ。
真面目だ。確かにしっかりはしているのだが、やはりどこかおかしい。
なんというかネジが一本外れている。
馬車から落ちる。馬車の馬を逃す。ブラッドの服を間違えて着る。目的地の反対方向に行こうとする。
てか、キースよりも酷いかもしれない。
しかも普段はしっかりしているからこそ、やらかす時が目立つ。そしてスケールがでかい。
馬車を止めて休憩中。フェアがスカイに聞こえないように聞いてきた。
「ブラッド……」
「なんだ」
「キースさんもあんな感じだったの」
「だった」
そんな感じでハプニングだらけだったが、馬車の旅で数日後。巨大な木の聳え立つ場所にたどり着いた。
「暑くて蒸し蒸ししますね」
「ああ、ここはジャングルだからな」
湖を越えてしばらく進んだ場所にあるジャングル地帯。グライユル。
他の森よりもはるかに大きく成長した木が並び、蔦が生い茂るジャングル。湿気が多くそして温度が高い。
マルグリットへといく方法の一つがこのジャングルを超える方法だ。
湖の右と左のどちらを通るかで、このジャングルを通り過ぎるかが変わる。
こちらは左のルートであり、時間がかかるしそれにジャングルを超える必要がある。
だが、右のルートは今封鎖されており、こちらを使うしか方法がなかった。
「スカイはこのジャングルを通ったことはないのか?」
「私はないです……パパと来た時は別のルートから来ましたから」
スカイはタオルで汗を拭く。フェアも暑さにやられて馬車の中で倒れている。
フェアは倒れながら喋る。
「寒さなら厚着すれば大丈夫だけど…………暑いのはこれ以上、脱げない…………」
雪山の時は何一つ文句を言わなかったフェアであるが、暑さにはやられている。
それはブラッドも同じだ。
「すまん、タオルをとってくれ」
ブラッドは後ろの二人にタオルを取るように頼む。フェアよりも早くスカイは立ち上がると、タオルを取ってブラッドに渡した。
「サンキュ」
こういうところではスカイはかなりしっかりしている。それにフェアと違って、いつ何が起きても良いように、周りを警戒している。
実力がキースを超えているというのも、本当なのかもしれない。
そんな感じで三人は進んでいく。そんな中、
「…………何が狙ってますね」
スカイが何かに気づいた。スカイに遅れてブラッドも気づく。後ろから何かの足音がする。




