第235話 【BLACK EDGE 其の235 旅の始まり】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第235話
【BLACK EDGE 其の235 旅の始まり】
ブラッドとフェアの旅にスカイが加わることになった。
父であるキースよりも母親に似ていることを願うしかない。
だが、一緒に旅をすることになったんだ。故郷に帰す責任はしっかりと果たす。
宿で一晩を越した三人は馬車に向かった。
馬車に荷物を詰め込むと、早速マルグリットに向けて出発した。目指すは東北にある隣国だ。
馬車を操作しながらブラッドはスカイに喋りかける。
「そういえば、お前達はマルグリット出身だったんだな。知らなかったよ」
「まぁ、パパは故郷があまり好きではないみたいですから……」
そういえば、前にキースと喋っている時に故郷の文句を言っていることがあった。
確かにキースは基本はガルデニアで生活していたし、故郷に帰っているところを見たことがない。
嫁と娘がいるのに帰らないってどんだけなんだか…………。
「なんがあったのか?」
ブラッドが聞くと、スカイは答える。
「叔父さんと問題があったみたいで…………。私とママは大丈夫なんですけど、父だけはやけに嫌っていて…………」
キースの性格上、一度何かあるとずっと根に持っていそうだ。
「それでか……。ま、あいつのことだし、どうにかなるだろ。まずはお前を家に帰すよ」
「ありがとうございます」
馬車は順調に進んでいく。馬車の左側には広大な湖が続いている。
フェアとスカイはそんな湖を眺めている。
ここの湖はブルジョネという名前であり、この辺りで最も大きな湖だ。
この湖には巨大な怪物が住んでいるという噂があるが、それが本当かは定かではない。
そんな怪物を神として祀っている宗教団体もおり、そこではその怪物を湖の神だとしているらしい。
「ねぇ、ブラッド」
フェアが湖を見ながら話しかけてきた。
「どうした?」
「スカイが落ちた……」
「え!?」
ブラッドが後ろを見るとスカイが地面を転がっている。
「何があったァァァァァ!?」
ブラッドは馬車を止めて、スカイの元に駆け寄る。
「おい、大丈夫か?」
何があったのかは分からないが、馬車から落ちたんだ。
すると、スカイが目を開ける。
「ハッ!? 寝てました!!」
そして目をキリッと見開いたスカイが言った。
「…………………え」
どうやらフェアと共に湖を見ていたら眠たくなって眠ってしまったらしい。そして力が抜けて馬車から転げ落ちたと……………。
「どうしてそうなの!?」




