第233話 【BLACK EDGE 其の233 再来腹ペコ盗賊】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第233話
【BLACK EDGE 其の233 再来腹ペコ盗賊】
「誰だ!! 隠れてないで出て来い!!」
ブラッドが叫ぶと、それに従い森の中からゾロゾロと見覚えのある服装の人たちが現れる。
そしてやはりこの人物も現れた。それは紫髪の短髪の女性。
「お前は確か、ロザリーだったか……」
ロザリーとその部下の盗賊達は武器を捨てる。そして土下座した。
「飯を!! 飯をください!!」
「またか!?」
「……………また? ん、あんたは……………」
結局盗賊達に食料を分けることになった。
「いや〜、ありがとな!」
月明かりの中、焚き火をして盗賊達は飯を食べる。ロザリーは肉を齧りながらブラッドとフェアに感謝を言った。
「なんでまた飢えてんだよ。お前ら盗賊だろ……」
「ふふふ、腹が減っては戦はできぬというだろ、腹が満たされた今なら…………」
「いや、やめとくよ」
また同じような会話だ。
だが、流石に同じ会話だけで終わるはずもなく、ロザリーはある話を始めた。
「そういえばお前ら知ってるか? この辺で出る骸骨の噂」
骸骨という単語を聞いたブラッドは顔を青くする。そんなブラッドを見たロザリーは不思議そうな顔をする。
「どうした?」
「いや、なんでもない……」
「そうだよな。お前みたいな強そうな奴が骸骨程度でビビるはずないもんな!!」
ロザリーが笑うとブラッドも笑う。だが、ブラッドはかなり無理して笑っている。
骸骨…………。それはお化けと同じようなものだろう。死人ですら怖かったのに、それ以上の存在だと考えると、ブラッドは震える。
だが、怖がっていると気づかれないように、震える体を笑って誤魔化す。
「いつまで笑ってんだ?」
「はは……………いや、なんでもない」
ブラッドは動揺して話を進めようとしない。そんなブラッドに呆れてフェアが聞いた。
「その骸骨ってなんですか?」
「ああ、最近の辺りで白骨死体が動き回ってるんだとよ」
ブラッドは怯える。
「その骸骨に見つかると死ぬまで追いかけてきて、寿命をとられるって話だ」
ブラッドの動きは止まった。
「寿命取られちゃうんだって〜、ブラッド〜」
フェアは悪い顔をしてブラッドの方を見る。しかし、
「あれ? ブラッド、ブラッドーーー?」
「おい、こいつ気絶してねぇか?」
ブラッドは気絶していた。
なんやかんやで意識を取り戻したブラッドはロザリー達、盗賊と別れると東北の隣国を目指してまた馬車を進めた。
夜を越してそして、ブラッド達はある村にたどり着いた。そこは村の中央に広場があり、そこに噴水のある村。ミモザ村だ。
「ここは…………」
「ああ、懐かしいな」
この村はブラッドとフェアが初めて会った村だ。




