第22話 【BLACK EDGE 其の22 諦めない】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第22話
【BLACK EDGE 其の22 諦めない】
「諦めないんなら上出来だ」
メテオラはそう言うと、施設の外の方を見る。
「一度外に出るか。そろそろ応援が来るかもしれない」
こうして施設を脱出することになった。
三人は施設を脱出するために静かになった組織を移動していた。
施設内はブラッド達の戦闘でボロボロであり、穴が空いていたり、瓦礫が散っていたりする。
そんな施設を脱出したブラッド達は道から村に戻るのではなく、少し迂回するルートで村に向かうことにした。
森の中を移動する最中、メテオラが思い出したように剣を取り出した。
それはフェアが転んだ時に落とした剣だ。
「あ、これ私があげた剣だろ。まだ持っててくれたんだな」
メテオラはそう言うと、剣をブラッドに渡す。
その剣を受け取ったブラッドはそれを大切そうに受け取った。
「はい。大事にしてます。この剣には何度も助けられましたから……」
そしてその受け取った剣をそのままフェアに渡す。
フェアは少しその剣を受け取るのを躊躇う。
フェアはこの剣がどんなものなのか知らない。事情を知らなかったからさっきまでは受け取っていたが、師匠から貰ったものを受け取って良いのか、困ってしまった。
しかし、
「そして今も大切なものを守るために。そのために使わせてもらっています。俺はいつも師匠に助けられている」
それを聞いたフェアは恥ずかしそうに剣を受け取った。
ブラッドの言葉が嬉しかったのだ。自分を大切なものと言ってくれたことが……。
メテオラはそれを見て、
「そうか。お前はまだ私を頼ってくれるのだな……」
そう、言った。しかし、その顔はどこか寂しそうな表情にも感じる。
「はい。師匠は師匠です。これからも……」
そう答えたブラッドにメテオラは抱きつく。
「嬉しいこと言ってくれるじゃないの〜!! この一番弟子〜!!」
「…………っ!」
ブラッドは恥ずかしそうに抵抗する。
そんな中、フェアは嬉しそうに剣を見つめていた。
なんやかんなあったが、誰にも見つからずに村に到着することができて、宿に泊まることになった。
すでに夜が明けようとしている。こんな時間に新しく宿を借りることはできないが、メテオラが潜入の際にもしもの避難所の一つとして借りていた宿に泊まることになった。
そして宿の部屋を借りた三人は話し合いの続きをする。
それは子供達がどこに連れて行かれたのか。そしてどうやって救出するのか。




