第227話 【BLACK EDGE 其の227 道具】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第227話
【BLACK EDGE 其の227 道具】
赤崎のビームをブラッドは躱す。しかし、ブラッドが避けたビームはそのまま飛んでいき、後ろにいたロジュンの腹を貫いた。
「…………赤崎……はか……せ…………」
ロジュンは倒れる。
「…………な」
その様子を見たブラッドは声も出せずに固まる。
「君が避けるからだ。だから、ロジュンに当たった。そうだろう」
赤崎はブラッドに囁く。倒れたロジュンをシャドーがどうにか看病しようとする。そんな中、ヒートは飴玉を舐めながらブラッド達の元へと駆け寄る。
「貴様は許さん!!」
ヒートはロジュンを信用していなかった。だから、ロジュンがやられてなぜ怒るのか。
激情するヒートと固まっているブラッドにシャドーが叫ぶ。
「惑わされるな。奴の作戦だ!」
だが、シャドーの声は届かない。
赤崎は顔を鷲掴みしているブラッドの腕を両手で掴む。
「君たちは全員消す。グリモワールも、ブルーバードも、賞金稼ぎに王子、そして私自身もだ」
赤崎は再び肩からビームを発射しようとする。ブラッドを狙っているが、もしブラッドが避ければ、次は誰に当たるかわからない。
だが、赤崎はブラッドが避けた先のことも考えた方向に向けている。
シャドーか、ヒートか、スワンか、それともフェアか。
誰だか分からない状況。この状況で避ければ、どんな被害があるか分からない。
赤崎の挑発はブラッドを避けさせないための罠だ。
赤崎の肩からビームが発射される。
「ブラッド!!」
シャドーが叫ぶ。だが、
「冷静じゃないのはあなたよ。シャドー」
走っていたヒートがそう告げた。
次の瞬間、ブラッドは赤崎のビームを避ける。そしてビームはその後ろにいたヒートへと向かっていく。
だが、ヒートは左手を突き出すと、その手のひらをビームに当てた。すると、左手に当たったビームは溶けて消滅していく。
「これが私の術!! 私の左手は全てを燃やし溶かす!!」
ブラッドとヒートは兵器の場所へと向かう途中、ある話をした。
「私達の目的については話せない。でも、私の能力については教えてやってもいい」
走りながらヒートはブラッドに伝える。それを聞いていたシャドーは驚く。
「おい、何言ってんだヒート!? お前の能力は初見殺しだろ、そんなことしたら……」
「どうせ、王都の仲間からなんとなくは聞かされてるだろ」
ブラッドは適当に頷く。
実際には聞いていない。だが、話してくれるなら、それは嬉しい。
「私の術はな……」




