第225話 【BLACK EDGE 其の225 最後の足】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第225話
【BLACK EDGE 其の225 最後の足】
「俺があのうざったい弾丸を止める。その隙にやれ」
「分かったわ」
ブラッドは崩れていく足の残骸を足場にして登っていく。
そんなブラッドを追って機関銃が発射される。
ブラッドは弾丸を避けて上へと進む。そして機関銃を次々と破壊する。
そして機関銃が発射されなくなったところで、スワンは残った右中央の足に向かって飛び上がった。
そして拳を握りしめる。
「行くわよ!! 白鳥演舞」
スワンの拳が機械でできた足を貫く。そして兵器が右へと傾いた。
反対側もその様子は見えていた。右側の足が全て破壊されたことが分かったヒューグは弾丸を防ぎながらブレイドに叫ぶ。
「向こうは終わったみたいだな……。おい、王子……手を貸せ!!」
それを聞いたブレイドはヒューグに怒鳴る。
「僕に命令するな。賞金稼ぎ! ………………だが、君が僕を手伝うなら許そう」
「あぁ?」
ヒューグが怒っている中、ヒューグの言葉には耳を貸さずにブレイドは近くで隠れていた愛馬を呼ぶ。
それは白く毛皮の馬。ブレイドはその馬にまたがると、弾丸の雨の中を駆け抜ける。
そして壊れた足の駆け上ると、剣で機関銃を破壊していく。
弾丸が止まり、ヒューグは大剣を持って走り出した。
「…………調子に乗りやがって。だからテメーは嫌いなんだよ」
ヒューグは大剣を構えた状態で飛び上がる。そして残っていた左後方の足を大剣で切断した。
右に傾いていた兵器は両足を破壊されたことで、地面に落ちる。
巨大な兵器が崩れ落ちたことで、兵器のそばに集まっていた者達に、倒れた時に発生した風が吹いた。
「止まった……か」
シャドーが両足を失った兵器を見てそんなことを口にした。
だが、
「これで私を止められると……?」
赤崎のそんな声が聞こえると、兵器に残っていた二本の足が動き始める。そして壊れた足を切り離すと、左右に一本ずつ腕が生えた。
そして兵器は前方を下にして、立ち上がる。二本の足に二本の手。まるで人間のような形になった兵器。
「この小林五十七号の真の姿はこっちだ。君達が破壊していたのは、繭の殻のようなもの。ここからが本番……………」
赤崎がそう叫んだ時、紫色の炎がどこからか飛んでくる。
二つの紫色の炎は兵器の足に当たると、爆発して兵器の足を破壊した。
「な…………嘘だろ……この足はさっきよりも頑丈なんだぞ……………」
兵器はバランスを崩して、さっきまでと同じ場所に倒れた。




