第222話 【BLACK EDGE 其の222 鳥】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第222話
【BLACK EDGE 其の222 鳥】
三人は高く飛び上がる。そして一斉に同じ足を攻撃した。
「植物の騎士」
「烏兎促進」
「白鳥演舞」
クレインは植物の剣で切り、フェザントとスワンは拳で兵器の足を攻撃した。
その攻撃で兵器はバランスを崩す。
「くっ、私を止める気か……。しかし、無駄だよ」
赤崎が兵器を操作すると、操縦席の周りに機関銃がいくつも現れる。そしてそれがカラス達を撃ち始めた。
カラスが攻撃を受けていることに気づいたクロウは、
「一旦退け!」
カラスに撤退を指示する。カラス達が離れて赤崎は下の様子が見えた。
下では兵士達が兵器の足を縄で引っ張り引きずっていた。クレイン、フェザント、スワンが攻撃しバランスを崩した足を、引っ張り転ばせようとしていた。
だが、それに気づいた赤崎は兵器を操作して高くジャンプさせた。片足がずらされていたことで通常時よりも高く飛べなかったが、それでも木よりも高く飛び上がる。
それにより縄も上空へ引っ張られて、放しそびれた兵士は縄と一緒に上空へと打ち上げられた。
落下する兵士をクレインが植物で受け止める。だが、落下のタイミングで一部の兵士を踏みつけようと赤崎は兵器を動かす。
兵士たちの頭上に巨大な兵器の足が落ちてくる。兵士達は逃げようとするが間に合わない。頭を抱えて諦めかけたが、
「スワン様!!」
スワンが兵士を両腕で受け止めた。
スワンの何百倍も重りがスワンにのしかかる。しかし、それをスワンは歯を食いしばりながら受け止めた。
「早く行きなさい」
兵士達は急いで逃げる。どうにか兵士たちは無事に逃げ切れたが、
「…………これはキツイわね」
スワンは支えるだけで精一杯。抜け出す力はない。
このままでは押し潰されてしまう。
潰されそうになった時、スワンは突然移動した。一瞬の出来事、兵器の足元にいたはずなのに、スワンは兵士達が逃げた場所と同じ場所にいた。
「…………助かったわ。フェザント」
近くにはフェザントがいた。フェザントが能力を使い助けてくれたようだ。
「あまり無茶はしないでくださいよ。俺の能力も無限じゃないんですから」
フェザントは頭を掻きながらスワンに言う。すでにフェザントの身体は全身汗まみれ、呼吸も荒くなっている。
「ええ、あなたも無茶はしちゃだめよ。私達の目的は、被害を抑えて、兵器を止めること。私達の中からも、一人だって犠牲を出してはいけないの」




