第221話 【BLACK EDGE 其の221 王都の騒ぎ】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第221話
【BLACK EDGE 其の221 王都の騒ぎ】
ブレインが兵士と共に王都ガルデニアに着くと、王国中がパニックになっていた。
人々は焦り逃げ惑う。
「何があったんだ……」
ブレインは一緒に戻った兵士に聞くが、
「わかりません」
当然だ。ブレインと共に一緒に帰ってきたのだ。だが、怪しいことはある。
王都に辿り着く前に何度か爆発音を聞いた。聞こえた方向はカメリアの方だったが、向こうの方で何かあったのだろうか。ブレインは情報を得るために城へと急いだ。
ヒューグは騒ぎになっているカメリアへと続く門の方へと向かう。そこには野次馬が集まっており、ヒューグはそれをかき分けながら前に進んだ。
道の奥では鳥達が騒いでいるのか。黒い鳥が群れを成してあちこちに飛んでいるのが見える。
そしてまだ遠くて良くは見えないが巨大な何かが動いているのも見えた。
「ありゃー、なんだ……」
騒ぎの中で何かが近づいてくるという話を聞いた。だとするとあの奥にある巨大な何かが近づいてくるということだろうか。
王都が混乱に包まれる中、兵器の進行方向にブルーバードの兵隊達が集まっていた。総勢二十五名。たったこれだけの兵力で兵器を止める。
弓兵が兵器の足の一本を狙い、弓を放ち縄を絡ませる。そして二十名の兵士でその縄を引っ張った。
巨大なメカだ。そう簡単には止められない。だが、兵士達はこれだけの人数でどうにか兵器の足を止めた。
だが、赤崎は兵器を操作して兵士たちに向けて砲台を向ける。そして大砲を撃った。だが、大砲は兵士たちに当たる前に急激に成長してきた植物にぶつかり防がれた。
「なに…………」
植物により砲撃が防がれたことを赤崎は驚く。だが、この能力については知っている。
「ブルーバードか…………」
赤崎はそう呟いた時、カラスの群れが赤崎の乗っている操縦席に襲いかかる。だが、操縦席はガラスで覆われているため、カラス達は攻撃はできない。
だから、カラスが赤崎の視界を塞ぐ。
赤崎がガラスにより周りが見えなくなっている隙に、ブルーバードが動いた。
クレインは植物の剣を作ると、フェザントとスワンと共に兵士達が止めている足の前に来た。
「行くわよ」
「了解」
三人は高く飛び上がる。そして一斉に同じ足を攻撃した。
「植物の騎士」
「烏兎促進」
「白鳥演舞」
クレインは植物の剣で切り、フェザントとスワンは拳で兵器の足を攻撃した。




