第220話 【BLACK EDGE 其の220 兵器の力】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第220話
【BLACK EDGE 其の220 兵器の力】
進む兵器の進行方向に二十五人の兵士達が立ち塞がった。
王都周辺にいるブルーバードの兵力をかき集めて、一般兵二十名、術師五名。これが今のブルーバードに集められる限界の兵力だった。
それで兵器が王都に進行するのを止める。
ブルーバードの兵士達は剣や弓を持ち、武装している。そしてスワンの指示のもと、配置についた。
「たったこれだけの兵力で本当に止める気かい?」
スワンの隣で黒髪の少年が聞いてきた。
その少年はシータ。カメリアにあるグリモワールの支部の開発長であり、赤崎の八番目のクローン。
地下施設で出会ったスワンはシータを勧誘して、シータもそれに応じた。
「ああ、そのつもりだとも…………私の組織は少数精鋭。これ以上は進ませないわ」
シータは両腕を頭の後ろで組ませる。
「ま、組織が滅ばない程度に頑張りな。僕の居場所も無くなっちゃうからね」
「そうね。シータちゃんのためにも頑張るわよ。…………一応確認だけど、さっきの情報は本当よね?」
スワンはシータに確認を取る。
「ああ、あの兵器の弱点は足と動力源である龍の適応者。まずは足を破壊して、動きを封じた後に動力源を取り出すのが効率が良いよ。というか、ちゃん付けはやめてくれないかい?」
「あら、ちゃん呼びは嫌い?」
「僕のことはシータ様と呼んでください」
「それは嫌よ。ボスは私だもの。ボスになりたいのなら、私をどうにかしてみなさい」
スワンは冗談を言った後、兵士に指示をした。
「狙うのは足よ。作戦通りやれば良いわ! そうすれば、あの兵器は止められる」
兵士達はスワンの指示に従い作戦を実行する。
弓を持った八人の兵士が一箇所の足に向けて一掃に矢を放つ。
だが、敵は巨大なメカだ。通常の弓や剣では刃が立たない。
だから、弓も普通と弓ではない。弓には縄をつけてあり、兵器の前方の右足に絡みついた。弓兵以外の一般兵は弓兵の放った縄を一緒に掴み、二十人でその縄を引っ張った。
兵器は前に進もうと足を上げるが、動かない。赤崎が下の方を見ると、そこでは兵士たちが縄を引っ掛けて引っ張っていた。
「……邪魔をするか」
赤崎は兵器の上部分だけを動かして、方向転換。縄を引っ張る兵士に向けて、大砲を向けた。
赤崎はボタンを押して砲撃する。だが、大砲の弾は突然大きく育ってきた植物に当たり、兵士たちに当たることはない。
「なんだと…………」




