第218話 【BLACK EDGE 其の218 世界の柱】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第218話
【BLACK EDGE 其の218 世界の柱】
「世界を支える柱の一つです。その一つが王都にあります」
「世界を支える柱? それが壊されたらどうなるんだ?」
シャドーが聞くとロジョンは答える。
「この世界のバランスが壊れて崩れます。そしてそれは残り二つの世界にも影響を及ぼす」
それを聞いたシャドーとヒートは焦り出す。
ヒートはロジョンに確認する。
「つまりはその柱が破壊されれば、この世界だけじゃなく他の世界も壊れるってことか?」
「はい」
赤崎は世界を作り直すと言っていた。そしてそのために一度壊すと。そのために王都でその柱を破壊するということか。
「…………ブラッド、貴様も手を貸せ」
話を聞いたヒートがブラッドに話しかける。ブラッドがヒートの方を見ると、仮面とフードで隠れてはいるが、震えているのがわかった。
「兵器を破壊する。そういうことだな」
「ああ、ガキどもはグリムに任せてある。私たちでその兵器を止めるぞ」
そう言うとヒートは真っ先に走っていった。
「そいつはどうする?」
シャドーがロジョンの方を見て聞く。
ロジョンはもう赤崎の計画から外された。しかし、ロジョンが破壊の邪魔をする可能性もある。
ならば、
「…………俺と一緒に来てくれ。それで良いか?」
ブラッドはロジョンにそう聞いた。
ここに置いていっても良い。だが、そのあとロジョンがどうしているのか分からないのは危険だ。ならば、近くに居させて様子を見る方がいいだろう。
ロジョンはコクリと頷く。
「シャドー、その兵器の場所へ案内してくれ」
ブラッドがシャドーに言うと、シャドーは、
「ああ、当然だ」
そう言って三人はヒートを追いかけて、地下施設を走り出した。
しばらく経ってヒートに追いつく。
追いついたブラッドがヒートに聞いてみた。
「世界が壊されるのはグリモワールにとっても不利なのか?」
するとヒートは走りながら答える。
「ああ、私たちが消えるだけなら良い…………でも、私にはやることがある」
「別世界が消えたら不都合でもあんのか?」
「…………これ以上は言えるかよ」
「それもそうか」
グリモワールもブルーバードもなんらかの目的をもって動いている。
敵対している彼らであるが、今回だけは協力者だ。同じ敵と共に戦う。
戦う敵は赤崎の作った兵器。それが王都に辿り着く前に決着をつけなければならない。
ブラッド達は急いで地下施設から脱出を試みるのであった。




