第216話 【BLACK EDGE 其の216 瓦礫の中で】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第216話
【BLACK EDGE 其の216 瓦礫の中で】
「そうか、じゃあ、お前はどうしたいんだ。このままここで死ぬのを待つのか?」
「…………」
「お前がここで死のうがどうしようが、俺には関係ない。だが、俺はここから出る。フェアを助けるためにな」
ブラッドはそう言いながら瓦礫を退かす。
兵器が起動し赤崎はブラッドとロジョンに向けて砲撃した。
その砲撃からブラッドは咄嗟にロジョンを守った。敵であるブラッドに守られたロジョンは疑問に思ったが、ブラッドからしたら近くで見殺しにすることができずに助けただけだ。
大きな理由はなかった。
ブラッドの回答を聞いたロジョンは喋り出した。
「私は赤崎博士に作られました。………………私は赤崎博士に諦めて欲しくない」
それを聞いたブラッドは聞く。
「何のことだ?」
「博士は昔、別世界から来ました。この世界にやってくる前は、開発者として様々なものを開発していたようです」
その話はさっきも聞いた。赤崎もロジョンも聞いていないことをなぜ喋り出すのか。
「それはさっきも聞いたぞ。岡島に認められなかったとか、なんとか…………」
「そうです。赤崎博士は岡島とライバルでした。多くのものを開発し、どっちが優れているのかを競ってきた。でも、ある時博士は突然この世界にやってきていた」
「望んできたわけではないってことか」
「はい。岡島と開発競争も途中でこの世界に飛ばされてしまった。それでも赤崎博士は諦めずに、私やクローン、他にも様々なものを作ってきました。でも、そのどれも岡島には見せることができない」
「赤崎の本当の目的は岡島に、作ったもんを見せることか」
「もう博士はその目的も忘れてしまった。今はただ、優れた兵器を作ることだけが赤崎博士の目的です。そしてどんな兵器すら超えた究極の兵器、それは正しい兵器であると考えて、あの兵器を作ったんです」
「そうか、ま、関係ないけどな」
ブラッドはそう言って瓦礫を退かし続ける。
こんなことを話してロジョンが何をしたいのか。そして赤崎もさっきブラッドにああやって自分のことを語り出して何がしたかったのか。
だが、そんな事はどうだっていい、ブラッドはフェアを助ける。そのためだけに今は動く。
瓦礫を退かし続けていると、瓦礫の反対側から声が聞こえる。
「おい、そこに誰かいるのか?」
ブラッドが声の聞こえる方に叫ぶと、
「その声はブラッドか?」
男の声。そして聞き覚えのある声だ。
「その声はシャドーか」




