第215話 【BLACK EDGE 其の215 爆発】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第215話
【BLACK EDGE 其の215 爆発】
兵器の正面がブラッドとロジョンの方を向く。兵器の正面には筒状の武器が取り付けられていた。それは…………。
「…………まさか」
赤崎が兵器を操作すると、その先端から爆弾が発射される。そしてブラッドとロジョンは大爆発に巻き込まれた。
瓦礫の山からブラッドは這い上がる。そして瓦礫の中から出ながら中から何かを引っ張る。
ブラッドが中から引っ張り出したのはロジョンだ。瓦礫の中から出るとロジョンはゆっくりと目を開けた。
「なぜ、私を助けたんですか?」
兵器からの砲撃の瞬間。ブラッドはロジョンのことを引っ張ると、爆発からロジョンを守った。そして落ちてくる瓦礫も身を盾にして防いだのだ。
「なぜ……か。深い理由はねぇよ」
ブラッドは頭を掻きながら答えた。
「私はあなたの敵なんですよ」
「そうだな……」
ロジョンは敵だ。赤崎の部下であり、ブラッドとも戦闘になったこともある。
それなのにロジョンをブラッドは守ったのだ。
なぜ、助けたのか。理由を聞かれても答えようがない。
赤崎が兵器で二人を狙ったから、咄嗟に助けてしまった。敵であろうと何だろうと、近くにいるのに見殺しにするということがブラッドには出来なかった。
まともな答えがないブラッドにロジョンは諦めたのか。理由を聞くのをやめた。
ロジョンは瓦礫の上で座る。
「…………そう、答える気がないのならそれで構いません」
もうこの部屋には兵器はない。そのため赤崎とフェアもいない。砲撃からどれくらいの時間が経ったか分からないが、兵器は動き出してしまったのだ。
それでもブラッドは諦めない。
兵器が動き出してもまだフェアは生きていた。まだ急げばフェアを救えるかもしれない。
ブラッドは兵器を追おうと部屋の出口を探す。
そんなブラッドにロジョンは話しかけてきた。
「まだ諦めないんですね」
ブラッドは動きを止めた。そして振り返らずに言う。
「なんだ、俺を止める気か?」
「いえ、もう私の任務は終わりました。だから赤崎博士は私を殺そうとしたんです」
施設内はもう跡形もなく崩壊していた。出入り口は瓦礫で塞がってしまっている。
ブラッドは瓦礫を退かして地下施設から出ようとする。
「そうか、じゃあ、お前はどうしたいんだ。このままここで死ぬのを待つのか?」
「…………」
「お前がここで死のうがどうしようが、俺には関係ない。だが、俺はここから出る。フェアを助けるためにな」
ブラッドはそう言いながら瓦礫を退ける。




