第214話 【BLACK EDGE 其の214 進化】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第214話
【BLACK EDGE 其の214 進化】
ブラッドに顔のプロテクターを破壊された赤崎は、空気を噴射して素早くブラッドから距離を取った。
顔の部分は壊れたが、破壊されたのはそこだけ。まだ機能のほとんどは残っているようだ。
だが、装備が破壊されたことで赤崎は警戒する。
「まさか…………この佐上四号を破壊されるとは…………」
赤崎は驚いているが、ブラッドも驚いていた。何度も成功しなかった技が、ここで一度だけ成功したのだ。
だが、喜んでいる暇はない。ブラッドは赤崎に追撃を加えようとする。
しかし、その時、
「赤崎博士、準備が完了しました」
ロジョンがそう言った。
ブラッドはその声を聞き、フェアの方を見る。兵器にある円柱型の透明な装置。その中にいるフェアは力が入らないのか、座っていた。
「……………ブラ………………ド」
まだ意識がある。だが、ロジョンが言っていた準備完了とはどういうことなのか。
赤崎は背中の装置から空気を噴射して、兵器の上のある操縦席に乗った。
飛んでいく赤崎をブラッドは攻撃しようとしたが、赤崎は肩からビームを発射してそれを阻止する。
「くっ…………」
兵器に座った赤崎はブラッドの方を見て言う。
「安心しまえ、ブラッド。この兵器で世界を作り変えれば、白龍の適応者は解放してあげよう。…………生きていればな」
赤崎は兵器を操作し始める。起動にはいくつかの操作が必要なのか、赤崎は操縦席で何かを打ち込んでいた。
「赤崎!」
ブラッドは急いで兵器の元に行き、フェアを助け出そうとする。だが、その前にロジョンが立ち塞がった。
「これより先は行かせません」
ロジョンの身体はボロボロだ。さっきの戦闘でのダメージがまだ残っている。だが、不思議だ。血が出ているわけではなく、身体から電気が出ており、血管ではなくパイプが剥き出しだ。
普通の人間ではないということか。だからここまでダメージを受けても動けているのか。それとも赤崎への忠義で動いているのか。
「これ以上時間はかけられねぇんだよ」
ブラッドはロジョンに向かって走り出すと、拳を振り上げる。ロジョンは箒を落とした状態のままのため、素手で応戦しようとする。
だがその時、
「っ…………」
足元が大きく揺れる。地震……いや、違う。赤崎の乗っている兵器が一歩前に進んだのだ。
兵器が歩くだけで地面が揺れる。それだけ巨大であり、そして
兵器の上半分が回転する。そしてブラッドとロジョンの方を向いた。
兵器の正面には筒状の何かが取り付けられている。
「まさか…………」
兵器の先端の部分から爆弾が発射された。そしてそれがブラッドとロジョンを吹き飛ばした。




