第213話 【BLACK EDGE 其の213 過去の鳥籠】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第213話
【BLACK EDGE 其の213 過去の鳥籠】
赤崎は地面に着地する。
「私も…………か。……そうだな。その通りだな」
そう言い赤崎は笑った。
そして炎の剣を頭の上で降り始めた。反時計回りに剣を回す。それにより赤崎の頭上に炎の渦が発生する。
「…………すまない。今までのことは忘れてくれ。兵器の完成が近づき、興奮してしまっていた」
「……そうか。ま、俺にはお前の言いたいことが分からなかったしな。構わねぇよ。だが、一つだけ教えてくれ」
ブラッドはそう言って拳を強く握りしめて構える。ブラッドの右手と両足に黒いオーラが現れた。
「あの兵器で何をするつもりなんだ? 元いた世界への復讐か?」
赤崎は首を振った。
「違う。私は世界を再構築する。そのために一度この世界を破壊する。グリモワールとブルーバードは別世界に干渉することが目的だ。だが、私は違う。三つある世界、その全てを新しくする」
赤崎の頭上にあるの炎はどんどん大きくなっていく。
「過去じゃない。未来のために!! 新しい世界を作るんだ」
赤崎はそう言った後、炎の大きくなった剣を振り下ろした。ブラッドもそれと同時に赤崎に向かって走り出した。
「そうか、あんたが何らかの考えを持ってることはわかった。だが、俺には関係ねぇ!!」
ブラッドは振り下ろされる炎の剣に向かって拳を突き出す。
「龍の牙」
ブラッドが突き出した腕から黒いオーラが飛び出して、それが龍の姿へと変化する。そしてその黒い龍は炎に激突した。
「っ!?」
ブラッドの放った龍のオーラが炎を突き破る。だが、炎を消したことですでに威力は無くなっている。
だが、炎がなくなり、そして赤崎へと近づく道ができた。
ブラッドは赤崎の目の前に着くと、全身に力を入れる。そして赤崎の顔面に向かって拳を突きつけた。
何度目の挑戦か。だが、ここで変化が起きた。その違いに気づいた時には、すでに拳を振り終わっていた。
足から腕まで、同時に力が発動したのではない。一つ一つ、順番に力を入れるべき場所に、流れるように力が入った。
そして全身を流れた龍がそのまま拳から放たれるような感覚。
さっき炎を消すために放った技。それが成功の引き金となった。
ブラッドの拳は赤崎のプロテクターを割った。
「なにっ!?」
赤崎の顔が露わになる。だが、顔のパーツを破壊しただけで、他のパーツは残っている。
だが、プロテクターの一部を破壊できた。




