第211話 【BLACK EDGE 其の211 認めた】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第211話
【BLACK EDGE 其の211 認めた】
ブラッドは赤崎の攻撃を避ける。ロジョンの時と同じように攻撃したが、今回はあの時よりも威力が下がっている。
「うまくいかないな」
時間もない。早くその技を成功させてフェアを助けたい。だが、まだ慣れない攻撃方法だ。そう簡単にはうまくいかない。
だが、他の方法もない。
ブラッドは拳を握りしめて、もう一度赤崎に向かって走り出す。
赤崎は今度は肩からビームを放つ。だが、それももう何度も見た。同じ攻撃を何度も喰らうことはない。
ブラッドは接近すると、赤崎に連続でパンチを放つ。その一撃一撃を意識して放っているが、どれも成功しない。
そして途中で赤崎がブラッドを腕を掴んで止めた。
「何か作戦があるのか?」
掴んだまま赤崎はブラッドを地面に叩きつけた。
「ぐっ……」
ブラッドは地面に叩きつけられて、地面を跳ねる。そして地面に倒れたブラッドを狙って赤崎が炎の剣を振り下ろす。
ブラッドは身体を転がして、炎の剣を避けた。しかし、赤崎は振り下ろした後、そのまま横に振って転がったブラッドを追いかける。
炎がブラッドに迫る中、ブラッドは右手に黒いオーラを溜めると、それをムチ状にして赤崎の剣を持つ手に引っ掛ける。そしてそれを引っ張り赤崎の腕を動かす。
それにより赤崎の剣は軌道をずれて、炎はブラッドに当たることなく横を通っていく。
炎を避けることができたブラッドは立ち上がると、ブラッドは左足に力を込める。
そして赤崎のことを蹴り飛ばした。
赤崎は吹っ飛び、地面を転がる。だが、これも失敗だ。何度やってもうまくいかない。
片腕だけでなく身体のあらゆる場所に集中して力をコントロールしないといけない。大雑把なブラッドにはかなり苦手な作業だ。
赤崎は落とした剣を拾うと立ち上がった。
「ふむ、何かやろうとしているみたいだが、苦戦しているようだね」
そして赤崎にもブラッドが新たな試みをしていることがバレた。警戒された状態でこの技を成功させるのは至難の業だ。
「チャレンジは嫌いじゃない。新しいことをやることは大事なことだ」
立ち上がった赤崎はすぐに攻撃してくる訳でなく喋り出した。
「私がなぜ、この兵器を作ったか、君には教えよう」
突然の発言にブラッドは疑問に思う。
「なぜそんなことを言う。時間稼ぎか?」
近くではロジョンがモニターに向かって何かをしている。いつ準備が終わってもおかしくない。
「そうじゃない。私は君を認めたということさ」




