第205話 【BLACK EDGE 其の205 修行】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第205話
【BLACK EDGE 其の205 修行】
「そもそも龍の力を教えてもらうために、弟子入りさせてもらったんです。なんで剣の修行をしないといけないんですか!」
マルクがメテオラの元で弟子入りという名のサンドバッグになってから半年。マルクは未だに龍の力のコントロールについて教えてもらっていなかった。
毎日、剣や槍、弓など様々な武器や武術を習わされ、軍の指揮やその他諸々まで授業させられた。
というか、二四時間メテオラに監視されている。
それも全てがメテオラが先生だ。しかも全てが一流。一体この人は何者なんだか…………。
メテオラは腕を組むと、
「龍の力はそう簡単に操れるものじゃないんだ。それにその中でも最も凶暴と言われている黒龍をあなたは身体に入れている。それを操るよりも先に、それに耐えられるだけの身体を作ることが必要なの」
マルクは納得していないようで、文句を言いたげに頬を膨らました。
そんなマルクを見てメテオラはため息を吐いた。
「……はぁ、しょうがないな。じゃあ、基礎中の基礎だけを教えてあげる」
そう言うとメテオラは近くにあった腰の高さまである岩に片手を手を触れる。
「まず龍は私たちの身体の中に入り、共存している。だから対話をして、その力を貸してもらう必要がある」
メテオラは腕を動かしていないのに、触れている岩が粉々に砕けた。
それを見たマルクは自分もやってみたいと、近くにある岩まで走り同じように手を置いたが何も起きない。
「龍は中で生きている。身体の一部だけを龍に貸す。その代わりに龍の力を借りる。それが龍の力のコントロールの仕方」
うまくできずに何度もチャレンジしているマルクにメテオラはゆっくりと近づいてきた。
マルクは助けを求めるようにメテオラの方を見る。
「そんな説明されても、分かりませんよ…………」
言いたいことはわかる。というか何度もメテオラから説明を受けている。だが、そんな説明をされても、どうやったら貸し借りができるのかわからない。
メテオラは泣きそうなマルクを見て、ニヤリと笑う。
「だって教える気…………ないもん」
それを聞いたマルクは怒り、剣を抜いてメテオラに斬りかかる。本気で攻撃しているわけではないが、本気で攻撃してもメテオラには簡単に避けられてしまう。
「龍は身体の中にいる。日々の修行は龍にも効果がある。……ま、そのうち、分かるよ!」
メテオラはマルクの剣を余裕で避けていた。




