第195話 【BLACK EDGE 其の195 踊るように】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第195話
【BLACK EDGE 其の195 踊るように】
スワンのボディブローをくらったロジョンは吹き飛ぶ。そして宿の天井を突き破ると、最初の時と同じように落下して戻ってきた。
「はぁはぁ、どうかしら…………流石にこれでも無傷だと私、泣いちゃうわ…………」
スワンはそう言いながらロジョンを見る。落下してきたロジョンは地面に倒れている。
だが、赤い血が流れているわけじゃない。ロジョンの身体からは黄色い液体が漏れており、そして破損したパーツからは電気が漏れていた。
「…………ま、まだです……」
ロジョンはボロボロになりながらも立ち上がろうとする。
ロジョンのダメージはかなりデカいようで、一度で立ち上がることが出来ず、何度かチャレンジしてやっと立ち上がることが出来た。
そんなロジョンを見ながらもスワンはゆっくりと近づく。
「…………まだ元気なのね。もう泣いていいかしら」
そしてロジョンの目の前に立つと、倒れそうになるロジョンを腕を出して支えた。
「………………ぇ」
ロジョンは驚きながらスワンの顔を見る。
「私だって、あなたに一度倒されてるわ。まだ戦う意思があるなら。気が済むまで……やり合いましょう」
スワンはロジョンの片腕を握り、ロジョンが倒れないようにする。そして残った拳を固めた。
「これが最後の戦いよ。この勝者が全ての権利を得る」
スワンはそう言った後、掴んでいる別の腕でロジョンの腹を殴った。
「っ!!」
ロジョンはどうにかスワンの攻撃を耐える。だが、ダメージがないというわけではなさそうだ。
スワンは一度殴ったら拳を下ろした。そしてロジョンに言う。
「さぁ、次はあなたの番よ」
それを聞いたロジョンは驚く。だが、言う通りにスワンの腹を殴った。
スワンはロジョンの拳を喰らい、口から血を出しながらも耐える。
今度はスワンがもう一度殴る。そしてその次にロジョンが。そのように交互に攻撃を続ける。
そしてそれが五回ほど繰り返されたところで、
「………………」
ロジョンがスワンの腹を殴った後、スワンは耐え切るがスワンが攻撃する前にロジョンは倒れた。
攻撃で力を使い果たしたのだろうか。
ロジョンは崩れ落ちた。スワンの支えがあってもロジョンは立っていられず、地面に突っ伏した。
「…………私の勝ちね」
倒れたロジョンを見て、スワンはニヤリと笑った。そして倒れたロジョンのために少し楽な体勢で寝かせてあげようと、スワンがロジョンを持ち上げた時。