第194話 【BLACK EDGE 其の194 根性】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第194話
【BLACK EDGE 其の194 根性】
スワンはロジョンに近づくと…………。
再び両腕を交互に振り下ろし、ラッシュ攻撃を仕掛けた。右と左で交互に拳が振り下ろされて、ロジョンを襲う。
しかし、先ほどと同じようにロジョンは箒を回転させて、スワンの攻撃を防いでいた。
このままではさっきと変わらない。またやられるだけだ。
ロジョンの箒はスワンの拳を止めた衝撃を利用し、そのままスワンに攻撃していく。
フェア達から見れば、箒は回転しているように見える。だが、箒は実際には回転はしていない。
ロジョンは箒の軸を作り、それで箒を操作している。スワンの右の攻撃を受けると箒は半回転し、その回転を利用して左の攻撃を止める。
左の攻撃を受けると、反対側に回転が始まり、今度は右の攻撃を止める。
箒は回転しているのではなく、途中で方向が変わっている。スワンの攻撃を利用して防御しているのだ。
そして右の攻撃よりも左の攻撃が弱くなれば、相殺した後にまだ回転力が残っており、それをスワンの身体にぶつける。それでダメージを与えていた。
そのため最初はスワンに攻撃はできないが、体力切れを起こし始めてペースが乱れれば、スワンを攻撃できるようになっていく。
スワンはパワーやスピードは上がるが、その分持久力が下がっている。そのため疲労感から攻撃が乱れてしまう。
ロジョンのパワーは本物だ。最初に受け止めた時やスワンより先に攻撃を仕掛けた時はロジョンの力だ。
だが、力だけではなく、そのような技を使うことでさらにロジョンはスワンよりも強力な攻撃が可能になっているのだ。
だが、そんなロジョンに変化が起こる。いや、ロジョンではないスワンに変化が起こった。
スワンの攻撃が乱れることなく、どんどんパワーを増していくのだ。そしてロジョンは箒で防御するだけでスワンに攻撃できなくなっていく。
すでに攻撃は十秒以上続いていた。そんな連続攻撃でもスワンは乱れなくなり始めたのだ。
「うおおおおおおおおおおお!! 根性おおおおおおおおよおおおおおおおおおお!!」
ロジョンが動揺する中、スワンがそう叫びながら攻撃を続ける。
本当にそんなもので攻撃が続けられるものなのだろうか。しかし、それが実現しているのが事実だ。
スワンの能力ではない。スワンの意志がスワンの力をパワーアップさせていたのだ。
やがてロジョンはスワンの攻撃を受け止めることができず、そして、
「フィニッシュ!!」
スワンの激しいラッシュの後の右によるボディブローによりロジョンは吹き飛んだ。