第18話 【BLACK EDGE 其の18 協力者】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第18話
【BLACK EDGE 其の18 協力者】
「待ちなさい」
警備員の後ろから声がする。警備員が警戒しながら後ろを向くと、そこには黒いフードに仮面を被った人物がいた。
「あ、すみません!!」
警備員は銃を下ろす。警備員は組織の中でも下っ端。フードの人物の方が位が上になる。
しかし、組織の人間がきたということは、フェアの正体がバレる可能性がある。
フェアは捕まるわけにはいかない。子供達を探す必要がある。
フェアは剣を手に警備員に襲いかかる。警備員は驚きフェアに銃口を向けるが……。
誰よりも早く仮面の人物が動く。そして二人の間に入ると、
フェアの前に足を出して転ばせた。フェアは転び、剣をその場に落とす。
警備員は銃を撃つギリギリであったが、撃たずに済んだ。
「すまない。子供を一人回収し損ねていたようだ」
仮面の人物はそう言うと、フェアの落とした剣を拾った。
仮面の人物はそれを持つと手元でクルクルと回転させる。そしてその短剣を持って何かに気づいたようだ。
フェアは転んだまま動けない。このままでは捕まる。そう思った。しかし、
仮面の人物は警備員の方に近づく。警備員は銃をしまうと、
「この子供はどうしましょうか?」
と聞いた。仮面の人物は警備員のすぐ横に立つと、警備員の首を剣で切り、警備員を殺した。
「この子供は私達が預かる」
死体がその場で崩れるように倒れる。
フェアが驚いていると、仮面の人物は仮面を取った。
仮面の人物の正体は女。それも黒髪の美人だ。
「久しぶりね。フェア」
その女はそう言う。そしてフェアは理解した。この人物が協力者の女性。
「メテオラ!!」
メテオラは子供達の計画を考えてくれたり、フェアを外に逃したりと協力してくれた。
「ほら、立ちなさい」
メテオラはフェアに手を差し出す。フェアがそれを掴むと立ち上がるのを手伝ってくれた。
「メテオラ、子供達が誰もいないの!!」
心配そうに聞くフェアにメテオラは、
「大丈夫。みんな無事だ。でも、ここにはいない。他の施設に連れて行かれた」
それを聞いたフェアはショックを受ける。これで助けられると思っていた。だが、またそれが遠くなってしまったからだ。
もしかしたらフェアが逃げたことで異動をさせることになってしまったのかもしれない。ブラッドとの接触が良くなかったのか。原因はわからない。
「どこに!!」
焦っているフェアにメテオラは短剣を返す。
「それは後で話す。それよりもまずはあなたの相棒を助けないとね」