第187話 【BLACK EDGE 其の187 狙われた】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第187話
【BLACK EDGE 其の187 狙われた】
「良かった。君たちは無事だったか……」
ブラッド達の後ろから声がする。四人が振り向くと、そこには白衣を着た少女と多くの子供達がいた。
「アルファ!!」
シャドーがアルファの名前を呼んで無事だったことを喜ぶ。アルファの頭を凄い勢いで撫で始めた。
「ちょ、ちょ、激しい!!」
「無事だったか! 無事で良かった!」
宿の状況を見てかなり心配していたようだ。
グリモワールであるシャドーもここまで仲間を大切にしているとは……。
後ろにいるのはフェアが助けたいと言っていた子供達だ。子供達は誰一人傷はない。しかし、
「フェアはどこだ?」
そこにはフェアがいなかったのだ。一緒にいたはずのフェアが見当たらない。
すると、アルファは下を向く。
「フェアは………………」
だが、小さな声で喋っているためはっきりとは聞こえない。
「フェアは、フェアはどうした!?」
ブラッドはアルファに強い口調で言う。
フェアはどこに行ったのだ。ここにいると言っていたから来たのだ。しかし、フェアはここにいなかった。
子供達はいるというのに…………。しかし、フェアだけがいない。
アルファが答えられずにいると、
「白龍の適応者は攫われたわ」
荒らされた宿の中から緑髪の少女レイラと、白いワンピースをきたマッチョのおっさんが出てきた。
おっさんはブラッド達よりも大きく、そして全身が筋肉で覆われている。凄い強そうな男だ。
「…………お前がスワンか……。フェアが攫われたってどういうことだ」
ブラッドはスワンのことを睨んだ。睨んだのだが…………。
「……どうして目をそらすの?」
その男の格好が見るに堪えなくて、ブラッドは目をそらしてしまった。
フェアが攫われたと聞いて大変なところなのに、なんでこんなおかしな格好のおっさんが現れるのだろうか。
こんな変な格好がブルーバードのトップだというのか。
「…………ま、いいわ。…………君のところの白龍の適応者は赤崎に攫われた。おそらく例の兵器に使うつもりのようね」
スワンはそう言った後、頭を下げた。
そして大きな声で謝る。
「すまないわ。私の責任だわ。君の仲間を守ることができなかった」
スワンが頭を下げた様子を見て、クレインやクロウは慌てている。組織のトップが敵に頭を下げたのだ。それは慌てるはずだ。
実際ブラッドもシャドー達も驚いていた。
そんな中、アルファが状況を説明し始めた。