第184話 【BLACK EDGE 其の184 助けられた】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第184話
【BLACK EDGE 其の184 助けられた】
「なぁ、フェア達は無事か?」
ブラッドが聞くとクレインとクロウは顔を合わせる。そしてその後クレインが答えた。
「知るか…………と言いたいところだが、無事だ。そっちにはスワン様が直々に向かったと聞いている。問題はないはずだ」
それを聞いたブラッドはホッとする。この情報を信じるべきかはわからない。それにクレインが言ったスワン様という人物についても不明だ。
だが、赤崎に捕まったわけじゃないのなら、兵器のエネルギーとして使われてはないということだろう。
そしてそうであるのなら、
「お前らをぶっ飛ばして、情報を聞き出せばいいってことだな!!」
ブラッドはそう言って構えた。
クレインとクロウが一緒にいるということは、二人はブルーバードの関係者なのだろう。そしてそうなるとフェザントという人物もそうだ。
そしてスワンという人物はブルーバードの偉い人だ。フェアとそいつの居場所を吐かせて、そこに行けば良い。
戦闘体制のブラッドを見てクロウは焦る。
「待て待て待て!! この流れでなんで戦おうとするの!? 休戦!! 休戦の流れでしょ!?」
クロウは両手を上げて降参の体制だ。そんなクロウにブラッドは言う。
「お前らなんて信用できるかよ」
「それはその通りだけど!!」
クロウが焦る中、クレインはブラッドの意見に頷く。
「同感だ」
「同感じゃないよ!!」
クロウが今にも戦闘になりそうな二人を見て、足をバタバタさせて焦る。
そんなクロウを見て、クレインはため息を吐いた後腕を組んだ。
「だが、利害が一致してるのは確かだ。……フェアと子供達はお前に返す。それなら休戦できるか?」
「本当だろうな……」
「嘘なら後で私を殺せば良い」
「……分かった。休戦だ」
ブラッド達はどうにか戦闘になることなく終わった。そんな会話が終わった時、
「……ぅ、うるせえな」
シャドーが起き上がった。そして仮面をかぶることなくブラッド達の方を見る。シャドーの顔は金髪碧眼で顔が整っておりかなりのイケメンだ。
そんなシャドーの顔を見たブラッドは、
「お前、そんな顔だったのか……」
と声を出した。その言葉を聞いたシャドーは、驚いた表情をした後、仮面が落ちているのを見つける。
「きゃ!」
シャドーは変な声を出しながら顔を隠す。
「今お前、『きゃ!』って言わなかったか? なぁ、今言ったよな? なぁ?」
変な声を出したシャドーをブラッドは揶揄う。シャドーは顔を手で隠したまま、地面に落ちている仮面を拾って顔を隠した。
「それ以上言うんじゃね! 今殺されてぇのか!!」
そしてブラッドに短剣を向けた。
「やるか?」
ブラッドも拳を握り戦う体制だ。しかし、そんな二人にクロウが割って入った。
「もうやめろーー!!」