第182話 【BLACK EDGE 其の182 救世主】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第182話
【BLACK EDGE 其の182 救世主】
倒れたブラッドを赤崎は見下す。もうブラッドもシャドーも立ち上がる力すら残っていない。
それに対して赤崎はダメージすら受けていない。もうここまでなのか…………。
赤崎はブラッドを担ごうと手を伸ばした時、赤崎の目の前からブラッドが消えた。
それは一瞬の出来事。高速で移動したとか、そういう感じではない。それにブラッドは抵抗する力も残っていなかった。
「よぉ、あんたが赤崎博士か?」
赤崎の背後から声が聞こえる。振り返るとそこには青髪の男がいた。
その男の右手にはシャドー、左手にはブラッドを持っていた。
「君は誰かな?」
赤崎はその男に聞く。するとその男はめんどくさそうに答えた。
「フェザント。…………ブルーバードの………………ま、幹部的なやつだな」
と適当に返事をした。それを聞いた赤崎は警戒する。
「…………ブルーバード……か……。なぜ、君達が彼らを助ける?」
赤崎が聞くとやれやれという表情でフェザントは答えた。
「それはお前の計画を邪魔するためだろ……。俺は命令されてここに来たんだ。詳しいわけは知らねぇよ」
グリモワール、ブラッド、そしてブルーバードはそれぞれ敵対関係だったはずだ。しかし、彼らが協力を始めたということは……。
「それだけ私の兵器が怖いかね?」
「さぁ、だが、そういうことなんだろ…………」
赤崎は落ちていた剣を拾うと、炎の剣のスイッチを入れる。剣からは炎が出て、これでいつでも戦闘できる体制だ。
「…………彼を返してくれないか?」
「それは無理だな」
フェザントが答えたあと、両手に持っていたはずの二人が消えた。フェザントの手には何もない。
フェザントは崩れた地下通路から上を見上げる。
「後のことは頼んだぞ」
上にいたのはそこにいたのは褐色の肌をした女性と、赤毛の少女。
褐色肌の女性がブラッドとシャドーを担いでいた。
「あとは任せたぞ。クロウ、クレイン」
二人は「了解」と答えるとブラッドとシャドーを連れてどこかへ消えていく。
「……行かせるか」
赤崎は追おうとするが、その前にフェザントが立ち塞がった。
「行かせると思ってるのか? 博士さんよ」
フェザントの手には武器はなく素手で戦うらしい。フェザントは拳を握って構えた。
赤崎は炎の剣を振り上げる。
「邪魔をする気か……。ブルーバードはいつからグリモワールやブラッドと仲良くなった?」
「さぁな」