第180話 【BLACK EDGE 其の180 龍の暴走】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第180話
【BLACK EDGE 其の180 龍の暴走】
殴り飛ばされた赤崎は地面を転がっ後、仰向けに倒れた。
赤崎は寝っ転がったまま、しばらくその格好で考え込む。
プロテクターによりダメージはなく、赤崎の計算通りならあの状態から抜け出すことは不可能だ。
だとしたらどうやって抜け出してきたのか…………。
その前に何があったか。そこから赤崎は思い出して考え始めた。
シャドーから現れた黒い物体が、炎の剣を防ぎ、シャドーにダメージを与えることはできなかった。しかし、ダメージはないはずなのにシャドーはフラフラと今にも倒れそうな状況だった。
しかし、そんな状況でもシャドーはその黒い物体を動かして赤崎の方へと向かわせてきた。速度は遅いが得体の知れない能力だ。
赤崎はそれに気を取られた。そう、その時にシャドーが何かをしたのだ。
ブラッドが脱出したのとシャドーが倒れたタイミングはほぼ同時。その可能性が高い。
赤崎は剣を握って立ち上がる。
シャドーは倒れたままだ。しかし、意識はあるようでこちらを睨んでいる。そして何か満足そうな表情だ。何かやったので間違いはない。
実際にシャドーは能力を使ってブラッドを解放した。どうなるか分からない作戦ではあったが、今はそれしか手段がなかった。
赤崎に空中を移動する影で意識をそれに集中させ、その間に枝分かれ式で地面を伝って、ブラッドの元に影を移動させていた。
そしてその影でブラッドにくっついていた氷だけを影の世界に送ったのだ。そしてブラッドを解放した。
しかし、ブラッドの様子がおかしいのは確かだ。さっきもシャドーはブラッドに襲われた。だから、解放したからといって赤崎を攻撃できるかは分からない。
だが、それに賭けるしかなかったのだ。そしてブラッドは赤崎に襲いかかった。
赤崎は剣を両手で握ると構える。赤崎の前にはブラッドが猛獣のような構えで狙っていた。
「…………なら、もう一度捕まえるだけだ」
赤崎は炎の剣を横に振り、ブラッドを攻撃する。しかし、これはダメージを与えようとしたものではなく、ブラッドを空中へと誘導したもの。
赤崎の予想通り、ブラッドは飛び上がり炎を避ける。そして空中から赤崎に向かって飛んでくる。
そんなブラッドに向けて肩にある発射口からビームを放つ。それは空中にいるブラッドに向かって放たれるが、ブラッドは空中で身体をひねると、両肩から飛んできたビームを避けた。
そして落下しながら赤崎に拳を振り下ろした。