第175話 【BLACK EDGE 其の175 龍、本来の力】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第175話
【BLACK EDGE 其の175 龍、本来の力】
「ドラゴンインストール…………」
シャドーはブラッドの様子を見て驚く。
ブラッドに強力なエネルギーが巡り、全身から溢れ出るエネルギーがブラッドの周囲に電気を発生させていた。
ブラッドがこの形態になりすぐに攻撃してくるのを読んだ赤崎は炎の剣を振り、ブラッドよりも先に攻撃を仕掛ける。
赤崎の予想通りブラッドは真っ直ぐ赤崎の方へと向かっていく。
ブラッドの移動速度は速く。もしもブラッドが向かってくると分かってから行動していたら間に合わなかっただろう。
赤崎の炎の剣がブラッドを包む。しかし、ブラッドの全身を覆う黒オーラがブラッドを炎が守った。
ブラッドの黒いオーラは身体の全身に集まると盾のようになり、それでブラッドは炎で身体を焼かれることはなかった。
そしてブラッドは赤崎の前に立つ。
「なにっ…………」
ブラッドは握った拳で赤崎の顔面を上から下に向かって殴りつける。
赤崎の身体はブラッドの攻撃を受け止めることができず、半回するように顔が下にいくにつれて下半身がその反動で上に上がってくる。
そして赤崎が地面に叩きつけられると、バウンドして地面に倒れた。
その様子を見ていたシャドーは思わず、
「俺……いらねぇんじゃねぇーよ……」
と呟いた。
しかし、硬いプロテクターで全身を覆われていた赤崎にはそんな強力な攻撃でも効果が薄かったようだ。
赤崎は倒れた状態のまま、ブラッドを見上げる。
「……ああ、良い一撃だ……」
赤崎の剣は手から離れてブラッドの足元に落ちている。赤崎が手を離したことで炎は消えて、周囲は薄暗くなる。
赤崎は倒れた状態で
「……だが、まだこの程度が全力じゃないはずだ。…………少し興味が湧いた。もうちょっとだけ試してみることにしよう」
そう言うと赤崎のプロテクターの肩の部分にある装置の穴が開く。その見た目はまるで何かの発射する装置のような…………。
「フリーズレイ!!」
赤崎の肩から白いビームが発射される。そのビームがブラッドを狙う。
ブラッドはどういうわけか避けようとしない。
そんなブラッドに向けてビームが向かってくる。
「ブラッド!!」
ブラッドの足元が地面に沈み、ブラッドはギリギリのところでビームを躱した。
「……これは。君の仕業か……」
沈んでいくブラッドの身体。それと同じように……。
「ん、これは…………」
赤崎の足も影の中に浸かり始めていた。