第170話 【BLACK EDGE 其の170 行手を阻む】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第170話
【BLACK EDGE 其の170 行手を阻む】
トラックで地下施設からの脱出をしようと車を走らせていると、施設がまたしても大きく揺れた。
トラックはどうにか倒れずに持ち堪えたが、前に人が現れてトラックが停まった。前にいたのはプロテクターを全身に身に纏った男。
「…………父さん」
アルファはそのままトラックを停めてしまう。隣でシャドーが構うな進め! と言うがアルファはアクセルを踏めなかった。
そんな中、ブラッドがトラックから降りる。
「…………追ってきてると思ったら、待ち伏せしてやがったんだな」
「当然だ。君たちが子供達を連れて逃げようとするのは予想がついていたからね。……まぁ、そこにそいつがいるとは思ってなかったがな……」
赤崎はそう言ってトラックに乗っているアルファを見る。
「娘よ。なぜ、私に逆らう!! お前は私と同じ思考を持っているはずだ。グリモワールなどに縛られていても何も得られないことは分かってるだろ」
アルファはハンドルを握る手は震えていた。
「……分かってる。僕は…………あなただから…………でも……………」
アルファは赤崎の方を見る。
「僕は僕だ!! 僕の意志でここにいるんだ!!」
アルファはアクセルを踏むと赤崎に突進する。
しかし、赤崎は焦ることなく、冷静に剣先のない剣を取り出す。そしてボタンを押すとその剣は青い炎を放つ。
「そうか、トラックに乗っているのはお前らと子供達、そして白龍の適応者だな……」
赤崎は剣を振り上げる。
「黒龍が一人残っていれば、それで十分。トラックごとゴミ処理だ」
赤崎の剣が振り下ろされる。剣は凄まじい勢いで燃えて、トラックを切断可能な大きさになる。
炎がトラックに当たりそうになった時、トラックが地面に埋まった。そしてギリギリのところで地面の中に消えた。
「これは!?」
そして剣が振り下ろされた瞬間に、赤崎の背後にトラックが出現した。
現れたトラックは急ブレーキをして止まる。そしてトラックの中からシャドーが顔を出した。
「乗れ、ブラッド!! 今はこいつに構う必要はねぇ。さっさとガキどもを安全なところに連れて行くぞ!!」
ブラッドは急いでトラックへと向かう。
しかし、赤崎が剣で攻撃を仕掛けてきて、それを躱す。邪魔をされてトラックの場所に辿り着けない。
「…………君は行かせないよ」
赤崎が次々と攻撃を仕掛けてくる。攻撃を当てようではなく、行く手を阻む攻撃であるため、避けるのは容易いがトラックまでの道を塞がれる。