第162話 【BLACK EDGE 其の162 協力者】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第162話
【BLACK EDGE 其の162 協力者】
「今回はお預けだ。次こそはお前と決着をつける。だから今回だけは見逃してやる」
「見逃す? なぜだ?」
ブラッドが聞くとシャドーは地べたに座った。
「お前達がここに来た理由は察しが付く……。ガキどもだろ……?」
フェアは頷く。
グリモワールが子供達を移動させたのは、フェアとブラッドを誘導するためだと考えられる。
だから、シャドーが知っていてもおかしくない。
「俺たちもその子供を確保するためにここに来たんだ」
それを聞いたフェアはシャドーを睨んだ。
「そう睨むな……。俺達は子供達を守りに来たんだ……博士からな」
グリモワールは元々子供達を白龍の依代にしようとしていた。それを赤崎博士に盗まれたということか。
「あなた達は信用できない」
フェアはシャドーに言う。
それもそのはずだ。龍の適応者にするために丁重に子供達を使って来ただけで、グリモワールの目的はそれだ。
赤崎はまた別の目的で子供達を使っているが、グリモワールも子供達に酷いことをしてきた。
多くの子ども達はグリモワールに殺されたのだ。
「信用できないか……ま、そうだよな。だが、お前が生きている限り、あの子達は危険には晒されない。今まではそうだった」
今はフェアが白龍の適応者だ。そして今の子供達はその予備みたいなもの。フェアに何かあれば、白龍の力だけを取り出して、他の子供を適応者にする。
だが、フェアが生きてさえいれば、白龍はフェアの元にあるし、他の子供達はその間はグリモワールが保護していることになる。
フェアと共に連れてこられた子供達は白龍の適応者の可能性があると判断された子供達だ。他の龍では試されることはないだろう。
「だとしても自由はないのは確かよ!!」
フェアはシャドーに怒鳴る。
フェアと子供達の目的は自由になることだ。そのためにフェアは外に出た。
危険はなくてもグリモワールにいる限り、自由はないのだ。
するとシャドーは下を向いてため息を吐いた。
「まぁ、俺もそれには同感だ……。元々はプロフェシー様が始めた計画……しかし、奴が死んだ後、形だけ博士が引き継いで…………。こうやって問題になった」
シャドーは二人の方を見る。
「俺はお前達に協力してやる。博士から子供達を解放する。その後のことはどうでも良い、お前達が守ってやれ、グリモワールは俺がどうにかする」