第156話 【BLACK EDGE 其の156 反撃】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第156話
【BLACK EDGE 其の156 反撃】
「…………何をしたの……?」
フェアが不安そうに聞くと、赤崎は不適な笑みを浮かべて答えた。
「少し実験に付き合ってもらっただけさ。…………グリモワールはあれだけの人材を確保しておきながら、君の予備だと言い、何もしなかった。とても勿体無いことだ」
赤崎はモニターのそばにある椅子に座る。
「だから私はあれを有効利用しただけのことだ。君の残り物であるあれを……」
それを聞いたフェアは怒る。そして赤崎に向かって叫んだ。
「あの子達は私の残り物なんかじゃない!!」
そしてフェアがそう言ったとほぼ同時にブラッドも赤崎に向かって走り出していた。
フェアだけじゃなかった。ブラッドも我慢できなかったのだ。
ブラッドは赤崎のことを殴ろうとする。しかし、ブラッドの拳は赤崎に届く前に止められた。
それはロジョンによって。
「なに!?」
さっきまでブラッド達の後ろにいたはずのロジョンが、ブラッドよりも早く動いてそして箒でブラッドの拳を止めたのだ。
ブラッドの拳はロジョンに止められたが、それによって発生した衝撃で風が生まれて、赤崎の髪を揺らす。
「…………危ないなぁ」
赤崎はブラッドに殴られそうになったというのに、焦る様子もなく動揺している感じもない。
ロジョンは箒を動かすとブラッドの拳を払う。ブラッドは後ろに飛んでフェアの元に戻った。
赤崎は頭を掻く。
「私には予備はあるけど、数は限られてるんだ。手荒なことはしないでほしいなぁ」
ブラッドは赤崎を睨む。
「何が目的なんだ」
「さっきも言っただろう。龍の力が欲しいと……」
「だが、龍の力は適当者しか……」
「そんなことは関係ない。適応者である君たちさえいれば、私はあれを起動することができるからね」
「あれだと……?」
龍の力を使って起動する。なんのことなのだろあか。だが、どちらにしろ危険なものということは確実だ。
どうにかして止めなくては……。そして子供達を救出しなくては……。
ブラッドと赤崎が睨み合っている中、大きな爆発音と共に施設内が揺れる。
「な、なんだ!?」
揺れた瞬間にブラッドはフェアに覆いかぶさるようにして守る。
「……なんだ、この揺れは……」
赤崎はロジョンに調査するように言うと、ロジョンはモニターを操作した後、赤崎に伝える。
「侵入者です。上のフロアで暴れ回っている者がいます」