第153話 【BLACK EDGE 其の153 目隠し】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第153話
【BLACK EDGE 其の153 目隠し】
ロジョンの後をついていくブラッドとフェア。二人がたどり着いたのはカメリアにある小さな宿だった。
ロジョンが入ってくると、その宿の店主はロジョンを一瞬見た後、中へと通す。そして宿の一階にある一番奥の部屋に入った。
部屋にブラッドとフェアも入ると、ロジョンは扉を閉める。
「さてと……ここから先はお二人にはお見せできません」
それを聞いたブラッドは突っかかる。
「なんだと……」
するとロジョンは箒をおくと、部屋の棚に置かれた目隠しを持って来た。
「これより先は組織の重要な拠点の一つになります。しかし、敵であるあなた方にその場所への行き方を教えるわけにはいきません」
最もの理由だ。そしてロジョンが目隠しを持っているということは……。
「それで視界を塞げってことか」
ブラッドが言うとロジョンは深くお辞儀をした。
「その通りでございます。お客様であるお二人をこのようなやり方でご招待することをお許しください」
「……客か…………何のつもりかはわからんが、これをつけろってことは、敵のままなのは変わらないってことだな」
しかし、ブラッドとフェアは子供達の写真を見せられてここまで来た。二人にとって子供達は人質だ。
それをチラつかされては抵抗することはできない。
フェアはブラッドに
「ここは諦めよ。……子供達のためにも……」
そう言って不安そうにブラッドの服の裾を掴んだ。
ブラッドはロジョンに質問する。
「この目隠しをするのは拠点を分からなくするため……それだけだな?」
するとロジョンは頷く。
「はい。私はその危険性がなくなれば、すぐに目隠しを外しても構いません」
本当に信用して良いのだろうか……いや、信用して良いはずがない。グリモワールの関係者なのだから……。
しかし、今はこのロジョンに抵抗することはできない。それは子供達がどうなっているのかがわからないからだ。
「分かった……」
ブラッドはロジョンから目隠しを受け取る。そしてフェアの目につけてあげると、自分の目もそれで隠した。
真っ暗で何も見えない。そんな中、フェアが手を握ったのが分かった。
どこに連れて行かれるのか分からない現状。二人を違う場所に連れて行くということも考えられる。
だが、こうして二人が一緒にいれば、離れさせられることもない。
二人はこれからどこに連れて行かれるのか。暗闇の中恐怖していた。