第151話 【BLACK EDGE 其の151 計画を実行】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第151話
【BLACK EDGE 其の151 計画を実行】
「赤崎博士……よろしいですか?」
真っ暗な部屋の中でモニターを見つめる白衣の男に、箒を持った女性が話しかけてきた。
女性の姿は赤い髪にメイド服である。
「ああ、何かな?」
男は振り返る。男の口にはスティックの飴が加えられており、喋るタイミングで手でスティックの部分を持つと飴を取り出してから喋った。そして喋り終えると口に戻す。
メイドは頭を下げてから、ポケットの中から一枚の紙を取り出す。そしてそこには一人の男と少女の姿が写っていた。
「ターゲットを街で発見しました。これからどうしましょうか?」
男はその写真を受け取ると、ジーッと見つめる。そしてしばらく考えた後、くるっと椅子を回転させて、モニターの方に顔を向けた。
「やっと到着したか…………街くたびれてしまいそうだったよ…………」
男は口に入っている飴を歯で粉々にする。そして飴の無くなったスティックをテーブルの横にあるゴミ箱に吐き捨てた。
「ロジョン……これより計画を実行する。準備を進めろ」
「了解です」
街を探索して聞き込みを進めていたブラッド達だが、なかなか有力な情報を得ることができなかった。
「まずこの街に地下があるのを知っていれば、グリモワールの関係者だから簡単には情報はないよな」
「でも、どうするの?」
このままでは地下を探すにしても手がかりが一つもない。
「まぁ、後はあいつらから聞き出すしかないか」
「クロウとフェザントさん?」
クロウとフェザントも地下を探している。だが、地下を知っているということはグリモワールとなんらかの関係があるということだ。
「でも、二人とも本当に知らなそうだったよ」
「そうだな。本気であの二人は知らないと思う。だが、手がかりは持っているはずだ……」
「手がかり?」
フェアは首を傾げる。
「グリモワールと関係があって、地下を探しているということは、そこに目的があるということだ。どんな目的があって地下を探しているのかわかれば、地下の規模くらいは予想することができるかもしれない」
今の段階ではブラッド達は地下がどれくらいの大きさなのかも分かっていない。しかし、地下の規模が分かれば、捜索範囲を絞れるかもしれない。
「一旦合流してみるか。あっちも何か情報を得てるかもしれないし、なかったとしても目的を問いただすだけでも情報になる」