第147話 【BLACK EDGE 其の147 ガルデニア】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第147話
【BLACK EDGE 其の147 ガルデニア】
川を渡ったブラッドとフェアは馬車を手に入れて、プロタゴニストの森を超えた。
そして王都ガルデニアまで戻ってきた。
「カメリアまでは後どれくらいかかるの?」
検問を待っている間、フェアがブラッドに聞く。
「ああ、王都から北に進んで、半日で着くところにカメリアという街がある。目的地はそこだな」
目指す街の名前はカメリアだ。その街の地下に子供達がいるとクリスが教えてくれた。
「でも、出発前にここで準備をしないとな」
ブラッドはフェアと共に王都に入ると馬車を止めて、買い出しをすることにした。
必要なものを買っていると、見覚えのある人物がやってきた。
「よぉ、ブラッドとフェアじゃないか」
「ヒューグか」
そこにいたのは大剣を背負った男ヒューグだった。ヒューグはブラッド達を見つけて声をかけてきた。
「どうだった、子供達は助けられたのか?」
ヒューグが聞くとフェアが答えた。
「これから助けに行くんです。やっと居場所が分かりましたから」
「そうか、頑張れよ」
ヒューグはフェアの頭を強く撫でる。
フェアは撫でられながらヒューグの方を見る。
「ヒューグさんも力を貸してくれませんか?」
これからどんな相手と戦うことになるか分からない。仲間は多い方がいいだろう。それにヒューグはブラッドと同じくらいの戦闘能力を持っている。
グリモワールが出てきたとしても、ヒューグなら戦うことができるだろう。
「俺が…………か」
「はい、ヒューグさんがいれば…………」
しかし、フェアがそこまで言ったところでブラッドが止めた。
「すまんな。怪しい連中が近づいてるって聞いて、少し焦ってるんだ。だが、お前はここを離れるわけにはいかないしな」
ブラッドが言うとヒューグは寂しい顔で頷いた。
「ああ、すまないな。フェア。俺は力になれないんだ……」
「いえ、私こそすみません…………事情も知らないのに……………」
そうだ。ヒューグは王都でやることがあるためここに残っているんだ。フェア達の問題に巻き込むわけにはいかない。
しばらく三人で話しながら買い出しをした後、ヒューグと別れて、ブラッド達は馬車に戻った。
そしてカメリアに向けて再び出発した。
ブラッドとフェアの二人だけでグリモワールの施設に潜入することになる。戦力がどれくらい集まっているかは分からないが、危険な戦いになるだろう。