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BLACK EDGE  作者: ピラフドリア
147/354

 第145話  【BLACK EDGE 其の145 雪山を超えて】

 BLACK EDGE



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第145話

 【BLACK EDGE 其の145 雪山を超えて】





 雪山を降りたブラッド達はジャスマンという港町にたどり着いた。




 この村から出ている船に乗り、雪山の大陸コスモスから王都のある大陸に移動する。川を越えた向こう側にあるナンフェア村を目指す。




「じゃあ、船の予約をする前にこいつらを返すか」




 ブラッドはそう言って三匹の犬を見た。ソリを引いてくれていたホワイトウルフ達だ。




 雪山だけの短い旅だったが、雪崩から助けてもらったりと色んなことがあった。

 だが、彼らは借りた犬だ。




 本来の飼い主はお店の店主であり、今回はソリの移動を手伝ってもらうために同行してもらっていた。

 だから、彼らとはここでお別れなのだ。




「…………ジャック、ロデー、デューク……」




 フェアは三匹の犬に抱きつく。




  ホワイトウルフは顔が怖いと有名な犬なのだが、フェアはこの子達とかなり仲良くなっていたみたいで、別れを惜しんでいた。それは三匹も同じだ。




 抱きつくフェアを優しく舐めている。




 そんな様子をブラッドは遠くから見守っていた。




 すると、一匹の犬がフェアから離れて、ブラッドの方へ来た。そして短く吠える。




「なんだよ?」




 ジーッとブラッドのことを見ている。




「お前は…………ジャックか? ロデーか?」




 犬は返事することはない。




「デュークか?」




 最後の名前に反応して、犬は吠えた。




 デュークだったらしい。




「俺を応援してくれるのか?」




 ブラッドが聞くとデュークは吠える。




 デュークはダレオさんと雪山を探検したことがある犬で、ダレオさんは昔この犬に救われたことがあると言っていた。




 そして今回の旅でも雪崩にあった時、ブラッドを助けてくれたのはこの犬だ。




 ブラッドはズボンの裾を上げる。そして噛まれた傷を見せた。




「これがお前が助けてくれた時の傷だ」




 雪に埋まった時にデュークが俺を雪から出してくれた。デュークがブラッドの足を噛んで雪から救出してくれたんだ。




「この傷に誓って、必ずフェアを守り切ってやるさ」




 ブラッドがそう告げるとデュークは吠えずに、それでも納得したように帰っていった。




 そしてブラッド達は犬を返すと、船を予約して船に乗り川を渡り出す。




 ここまで来るのにはかなりの時間がかかったが、戻るのにはなぜか時間が早く感じた。

 実際に時間は同じ程度だ。しかし、なんだか全てが順調に進み、来た時よりも早く移動できているような感覚があった。










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