第143話 【BLACK EDGE 其の143 血を抜いて】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第143話
【BLACK EDGE 其の143 血を抜いて】
「これくらい、あの子達のためなら!!」
フェアは自分の腕に注射器を刺すと、血を抜き取る。
クリスが満足そうにしている中、ブラッドは心配そうに見守る。そしてすぐに血は抜き終わった。
「これで良いんでしょ!」
フェアはクリスに血の入った注射器を渡す。クリスはそれを受け取ると、早速蓋を開けて、血を飲み出した。
そして血を飲み終えたクリスは口元を拭くと、フェアに伝える。
「さっき覚悟を試すって言ったわね。あれは嘘よ」
それを言われたフェアは驚く。ブラッドはクリスに怒鳴るがそんなことは無視してクリスは続ける。
「この雪山に来た時点で覚悟があることは分かってた。あなたは本当に子供達を助けたいのね」
クリスに言われてフェアは頷く。
「はい!! 助けたいです!!」
それを聞いたクリスは満足そうな顔をした。
「まぁ、あなたの血が必要だったのは、本当のことよ。あなたの血であることであなたに関係する人物を探す力がさらに増えるから」
それを聞いてブラッドは大人しくなった。フェアをいじめるだけのために血を抜き取ったのかと思ったが、それにしっかりと意味があり安心した。
クリステルの能力は見たい対象の関係する血を飲むことで能力を発動することができる。
例えばブラッドの血を飲むことで、ブラッドの未来を見ることができた。それはブラッドだけを見るのではなく、ブラッドの周囲を見ることもできるため屋敷が荒れているという未来を見れた。
そのような形でフェアの血を抜き取ったことにも意味があったのだ。
そしてついにクリスは力を使う。クリスの身体から白い湯気が出てくる。そしてクリスはついに能力を発動させた。
「………………これは……」
しばらく経ってクリスは能力で子供達の居場所がわかったのか、喋り出した。
「どこにいたんですか!!」
フェアはクリスに顔を近づけて子供達の居場所を催促する。
すると、クリスは答えた。
「王都の隣にある街、カメリアの地下室に子供達はいる」
「カメリア…………そこに子供達が…………」
「ええ、でも急いだ方がいい。子供達がいるカメリアという街に奇妙な連中が近づいている。何か危険な雰囲気だ……」
「き、危険ですか…………」
フェアはついに子供達の居場所を知ることができた。これで子供達を助けることができる。だが、奇妙な連中が近づいている!?
それとは一体!?